2016 Fiscal Year Research-status Report
教室談話に関する専門的力量形成めざした英語教師研修プログラムの開発
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16K02962
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10240293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 裕之 関西大学, 外国語学部, 教授 (80247759)
松井 かおり 朝日大学, 経営学部, 准教授 (70421237)
テーラー マーク 兵庫県立大学, 公私立大学の部局等, 外国人教師 (40514443)
名部井 敏代 関西大学, 外国語学部, 教授 (20368187)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 英語教育 / 教師教育 / 教室談話 / 会話分析 / 社会文化的理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小学校,中学校,高等学校の英語授業での教室談話のデータを「会話分析」した上で,教師と児童・生徒間の相互行為によってどのような教室談話が形成され,学びが促されているかを明らかにする。これをもとに,教師の省察を促す教室談話の枠組みを開発し,教室談話に関する専門的力量形成を行う英語教師研修プログラム及びガイドブックを開発することを目的としてしている。 平成28年度は,(1)外国語教育における教室談話研究の先行研究の収集,(2)小学校,中学校,高等学校の授業における教室談話データの収集・分析を実施した。 (1)については,Steve Walsh教授が提唱する教室談話データに根ざした授業研究・反省的実践が,今後の研究の基盤となる研究の一つとして確認された。また,Walsh氏が提唱するSelf Evaluation of Teacher Talk (SETT)など,教師による教室談話の研究に有効な分析ツールについても,引き続き,研究を深める。 (2)データ収集については,収録できた小中高の英語授業を会話分析し,そこでみられる相互行為を明らかにした。また,分析にとどまらず,計画をやや前倒しし,いくつかの授業ビデオとトランスクリプトを用いて,小中高の英語教員に観察してもらい,どのような教室談話が認められるか,児童・生徒の間で起こっている学びがどのようなものかを検討してもらうパイロット研究を実施した。上記の研究を推進するために,研究分担者ミーティングを,平成28年7月17日(日),10月30日(日),平成29年2月19日(日)(いずれも,兵庫教育大学神戸ハーバーランドキャンパス),3月25日(土)(加東キャンパス)にて実施した。また,上記の研究発表に係る打ち合わせを,平成29年1月12日(木),21日(土),24日(火),27日(金),29日(日),31日(火)に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度実施を計画していた研究内容は,概ね順調に実施できている。今年度,教室談話の分析を行うための授業サンプルの収集を行ったが,さらに,異なるタイプの教室談話が起こっている授業を観察するために,平成29年度もデータ収集を継続する。 今年度は,パイロット研究として,いくつかの授業ビデオとトランスクリプトを用いて,小中高の英語教員に観察してもらい,どのような教室談話が認められるか,児童・生徒の間で起こっている学びがどのようなものかを討議してもらう研究を実施した。討議の様子を分析し,第10回国際言語教師会議国際学会で発表することができた。学会での研究発表は,次年度以降に予定していた研究であるが,やや前倒しして成果を発表できたことで,来年度以降の研究を円滑に進めることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,当初の研究計画通り,以下の(1)から(4)の研究に取り組む。(1)小学校,中学校,高等学校の英語授業における教室談話データの収集・分析(継続),(2)教室談話に参加する児童・生徒の相互行為能力の分析,(3)教師の省察を促す教室談話の分析枠組みの開発を行う。(3)については,本研究でプログラム及びガイドブックの開発を行うための,重要案理論的,方法論的基盤となるものである。さらに,(4)年度内に明らかになったことを中間的報告として,国内の全国規模の学会,あるいは,海外の国際学会にて,発表を行う(ただし,一部の研究成果については,すでに平成28年度におこなわれた国際学会(10th Interantional Conference on Language Teacher Education)にて,発表を行っている)。上記の取組を推進するために,研究分担者ミーティングを,5月,7月,10月,2月に開催する。また,研究協力者を集めたミーティングについても,7月,2月に開催する。
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Causes of Carryover |
3月末までに実施・納品が完了した経費(論文の英文校閲など)の一部の支払いが,4月にずれ込んだこと,また,当初計画していた旅費の使用(学会参加)が,校務との関係で執行できなかったため,次年度の使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用となった経費は,4月に支払ったものを除くと,学会参加のための旅費として使用する計画である。
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