2017 Fiscal Year Research-status Report
韓国語習得研究のための汎用的な韓国語文法能力測定テストの開発
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16K02965
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
斉藤 信浩 九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70227263)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 韓国語文法テスト / テスト法 / 言語能力の測定 / 中国語母語話者の韓国語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に中国大連にある大学で韓国語を第二言語として学習する中国語母語話者114名(男24、女95)に対して、文法72問、読解20問の大規模な設問紙調査を実施した。このテストの結果を、入力しデータ化し、SPSSとT-DAPで分析を行った。PROX法による検証の結果、下位項目(形態素変化、局所依存、表現)の3項目の間で、上位群においてはほぼ同じ正答確率が得られ、下位群においては形態素変化でやや難易度が低かったものの局所依存と表現の間では同じ正答確率が得られた。中国語母語話者のデータは概ね学習者能力を反映した結果が得られた。 この文法テストの検証に付随して、設問文と回答項目の間で、パッチムの有無による得点差が生じるかどうかを日本語母語話者30名(男2、女28)を対象に検証を行った。その結果、設問文と回答項目の間でパッチムがヒントになり、不当に得点が得られてしまう現象が確認され、この結果は既に査読誌に掲載済みである。 本研究の目的は、母語に関係なく必要最小限の問題項目数で学習者能力を予測する文法テストの開発であるため、この結果を日本語母語話者と比較する必要があり、H29年度末には21名のデータを収集したが、数値分析には不足しているため、60から80名程度のデータを収集する必要があり、H30年度前半に更に日本語母語話者のデータを採集する必要がある。その結果を、中国語母語話者の分析と同様に、SPSSとT-DAPで分析したのちに、両言語間の差が出ないことを検証する。 設問項目は72問であるが、最終的には測定力の高い36問に絞る。レベル間と母語間の得点差が出ないことを確認し、汎用的な文法テストの開発を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本語母語話者のデータ取集をH29年度までに終える予定であったが、テスト作成が学期中に間に合わなかったため、現在、目標とする数の3分の1程度に留まっている。H30年度前半にこれらのデータ収集を行い、分析を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度7月までに日本語母語話者のデータ収集を終え、8月にデータ化を行う予定である。数値分析は8月から9月に行う。成果は今年度後半に発表する予定である。
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Causes of Carryover |
未使用額は7,215円であり、全体から見ると誤差の範囲内だと思われる。
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