2020 Fiscal Year Annual Research Report
The development of phonological awareness instruction programme for Japanese L1 children: With an aim of introducing early literacy into Japanese elementary school English education
Project/Area Number |
16K02971
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
池田 周 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (50305497)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小学校外国語教育 / 音韻認識 / 英語リテラシー技能習得 / 英語読み書き技能習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度の2020年度は、「音韻認識指導プログラム」の教材作成を主として進めた。これまでの研究成果のうち、日本語を母語とする英語学習者に認識しやすい音素やその位置、さらにローマ字指導に組み込んで「文字の音への気付き」を高める意義などを反映させ、10のステップから成る教材をまとめた。各ステップのねらいは、①脚韻の認識 (recognition)、②脚韻の特定 (identification)、③英語の子音連結を含む語を活用した「子音」の存在への気づき〔stopとtopの音の違いから /s/ の音に気づく活動など〕、④無声音の子音の音への気付きを生かしたローマ字の理解〔カ行・パ行などで「音の足し算」(混成)の活動〕、⑤有声音の子音の音への気付きを生かしたローマ字の理解〔マ行・ナ行・バ行など〕、⑥ローマ字のヘボン式綴りの理解〔/t/ と /i/ の音を混成すると /ti/(ティ)になる気付きを高めるなど〕、⑦外来語(カタカナ語)と英語の語の書き取り〔desukuとdeskの違いに気づくなど〕、⑧英語のCVC語の「はじめの音」の認識、⑨英語のCVC語の「おわりの音」の認識、⑩英語のCVC語の「真ん中の音」の認識、である。さらに、ステップごとの「指導に必要な理論解説」、「ワークシート2種類」、「導入からワークシート活動までの指導手順」を整えた。本プログラムの特徴は、日本語を母語とする小学生対象の音韻認識調査データに基づく使用語彙選定や活動配置である。当初は作成した教材を小学校で実践して成果検証を行う計画であったが、新型コロナウイルス感染拡大による学校現場での調査が実現しなかったため、作成教材について小学校教員からのフィードバックを得る調査に切り替えた。この成果は、音韻認識に形態素認識を加えた英語リテラシー教育の小中接続を目指す次期科研費プロジェクトに引き継いで生かす計画である。
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