2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K02978
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
熊澤 雅子 桜美林大学, 言語学系, 准教授 (20386478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 孝昭 関東学院大学, 法学部, 教授 (20366933)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 外国語教育 / 教員認知 / カリキュラム改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実用的コミュニケーション力育成を目指し、学習指導要領改訂の度に新しい変革が余儀なくされる中学高校の英語教育を文脈として、中学高校の英語教員の実践にいかなる変化があるか、またその変化の要因は何かを調査することを目的としている。研究二年目の平成29年度は、本研究の方向性をさらに絞り込むべく関連分野の文献研究を進め、その成果を論文としてまとめて年度内に出版することができた。文献研究においては、直近の文部科学省の調査により学習指導要領の改訂による効果がいよいよ表れ始めていることが示されたことをそれ以前の研究の知見と関連づけ、中高英語教員がどのようなプロセスで学習指導要領を各学校の文脈に合わせ実践の変化につなげているのか、この変化は教員の自発的な要因に起因するのかまた外的なプレッシャーによるのか、研修がもたらす影響はどんなものか、大きな変革の中で英語教員間の協力体制が実際にはどのように影響しているのか、など具体的な問題点を提起した。それらの問題提起に基づき本研究では、かねてより作成中だった中高の英語教員に対する英語教育実践に関するアンケートを改訂し、試行送信を行った上で、ランダムに抽出した関東近県の中学高校100校に対してアンケート用紙を送信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度の平成28年度に研究代表者、研究分担者共に他の研究課題と同時進行していたこと、また文献研究を進める中で調査方法や調査内容の調整が必要になったことから、予定より遅れて平成29年度の研究を開始することになった。その遅れをそのまま引き継いですすめる形となったことが、現在も影響している。また今年度予定した授業観察については、協力予定先の都合や、研究代表者の学校業務の都合により実施に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の課題の一つであったアンケート送付を行うことができたので、平成30年度はその回答をもとにアンケートデータの分析や授業観察やインタビューなどの対象校・対象者の選定を進める。またアンケートの回答率が低い場合は、再度別の学校を抽出して送付を行うこととする。まとまった数のデータが集まった後は、本格的な分析を行い、その成果を学会などで発表する。授業観察やインタビューなどの際は、これまでの文献研究で絞られた問題点の解明に焦点をあてたデータ収集を心がけることで、アンケートからの量的データを補完する知見を得ることを目指す。
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Causes of Carryover |
最大の差額は旅費であるが、前述したように授業観察やインタビューのための出張が発生しなかったこと、また情報収集を行うために予定していた学会出張を学校業務との兼ね合いでキャンセルせざるを得なかったことなどが、旅費に差額が生じた原因である。同様に人件費も授業観察やインタビューに伴う謝礼が発生しなかったことにより予定額を下回った。
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