2017 Fiscal Year Research-status Report
英語圏と非英語圏留学:異なる英語環境での英語伸長・使用量・学習意識の縦断的比較
Project/Area Number |
16K02984
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
田島 千裕 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (60365062)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英語圏への留学 / 非英語圏への留学 / Lingua Franca / 共通語としての英語 / 教育評価・測定 / 混合研究法 / 学習者意識の変容 / 教育評価・測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本人大学生の短期英語留学について、英語圏にて留学を行った者と、非英語圏にて留学を行った者を縦断的に比較するものである。このため本研究では、カナダやイギリスに短期留学に出かけた者と、フィリピンやフィジーに短期留学に出かけた者を対象に、英語能力の伸長度と英語コミュニケーション量、加えて英語学習に関する学習者意識の変容を比較分析することで、両者の差異と特徴的要素を明確に抽出し、異なる英語環境での留学体験が英語学習にもたらす影響を明らかにする。加えて、非英語母語話者同士が共通言語として英語を使用する環境、つまり、English as a Lingua Francaの観点から、この言語環境での英語学習について探索的調査を行う。本研究は、混合研究法を用いることで、包括的な研究結果を導くものである。 平成29年度は主に、非英語圏留学者(フィリピンへの留学者)から収集したデータの分析とその結果報告を行った。収集した量的データに対しては、t検定や相関分析を用いて検証し有意差や相関関係を求めた。質的データに対しては、文字お越しを行いインタビュー音声データを言語化してから分析した。得られた量的及び質的結果は統合して再分析することで、混合型研究として包括的な研究結果を導いた。フィリピンは、非英語母語話者同士が共通言語として英語を使用する環境、つまり、English as a Lingua Francaであるが、この言語環境での英語学習については研究の蓄積が少ない。そのため、現象学的視点を用いて探索的な分析も行った。フィリピンへの留学者を対象とした研究結果は、口頭発表と研究論文の形で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた非英語圏留学(フィリピンへの留学者)の研究については、結果をまとめて口頭発表と研究論文として報告した。 一方で、英語圏留学の研究については、調査参加者が不足しているために、平成30年度、追加でデータ収集・分析をする必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、以下の三方面に研究を発展させる予定である。まず第一に、英語圏留学者(カナダへの留学者)の調査参加者をさらに追加し、上記と同様の量的データおよび質的データを収集・分析し、最終的には量的・質的結果の混合分析までを行う。第二に、これまで英語圏留学者と非英語圏留者のデータを個別に分析していたが、平成30年度は各結果を比較分析することで、英語圏留学と非英語圏留学の差異と特徴的要素を明確に抽出し、異なる英語環境での留学体験が英語学習にもたらす影響を明らかにする予定である。第三には、研究成果をホームページで公開することを予定しており、社会にも広く情報を発信していくものとする。
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Causes of Carryover |
29年度に予定していた追加データ収集ができなかったために、これに伴う試験費用や参加者への謝礼の支払いが生じなかった。30年度には追加データ収集を行う目途が立っている。 加えて、29年度に口頭発表のために国際学会への出張を予定していたが、これが国内学会での口頭発表となったために、旅費が軽減された。30年度には国際学会での口頭発表が採択されており出張を行うことになっている。
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Remarks |
ウェブページは6月以降に公開予定。5月現在、URLは未定。
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