2016 Fiscal Year Research-status Report
オープンソースを利用した小規模英語能力測定マルチステージテスト開発
Project/Area Number |
16K02987
|
Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
木村 哲夫 新潟青陵大学, 福祉心理学部, 教授 (90249095)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | コンピュータ適応型テスト / マルチステージテスト / オープンソース / 学習管理システム / コーパス分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,小規模なコンピュータ適応型テスト用にコーパス分析に基づき構築された既存のアイテムバンクの整理とコンテンツ・バランス管理指針の策定を研究協力者と行うとともに,マルチステージテスト設計条件を整理するために文献と関連学会参加により情報収集を行なった.また,受験者が目標正答確率を選ぶ多段階コンピュータ適応型テストをオープンソースの学習管理システム(LMS)であるMoodle上に用意し,パイロットテストを実施して,受験者が「難しい問題が出ても問題数が少ないテスト」よりも「問題数が多くても易しい問題が出るテスト」を選ぶ傾向があることを確認した. オープンソースのLMSを使ってCATの目標正答確率を調整する仕組みについては,8月に中国・西安で開催された"Pacificrim Objective Measument Symposium 2016"と,9月に東京で行なわれた日本教育工学会第32回全国大会で口頭発表を行なった.また,CATの心理学的側面について,8月にフィンランドのユヴァスキュラで開催された"Individuals in Contexts -- Psychology of Language Learning 2"で,研究協力者と共同発表を行なった。さらに,3月に東京で行なわれたセミナー「言語研究と統計2017」においては、受験者が目標正答確率を選ぶ多段階コンピュータ適応型テストを,オープンソースのLMS上で試験的に実施したパイロット・スタディについて口頭発表を行なうとともに, 統計数理研究所の共同研究報告書にまとめた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Cambridge University Psychometrics Centerの開発したConcerto(オープンソースでCATやMSTを実施する環境)で実施し,結果をLMS(Moodle)間とデータ連携する方法については,本研究の研究協力者Kosinskiの所属が,Cambridge UniversityからStanford Universityに完全に移ったこともあり,この方法を継続するか再検討している.LMS(Moodle)上に新たな追加モジュールを使わずに開発する方法だけで,十分目的を達成することができるか技術的な確認作業に時間を要している。一方、マルチステージテストのパイロットテストは,予定よりも早く済ませている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,まず既存のアイテムバンクへの項目追加を研究協力者とともに行ない,その上で項目数を増やしたアイテムバンクを使って、改めてマルチステージテストのパイロットテストを行なう予定である.29年度後半から30年度にかけては,同じ受験者に対して半年程度間をあけてマルチステージテストの本実施を行い、受験者の能力変化の測定を行う.また,同時期に英語能力を測定する外部テストの結果との比較を行う.研究成果は、学会発表と論文投稿により報告するだけでなく,時機を見て「具体的な小規模MSTの開発方法」や「公開したMST実施システムの利用方法」についてワークショップを開催する予定である.
|
Causes of Carryover |
Cambridge University Psychometrics Centerの開発したConcerto(オープンソースでCATやMSTを実施する環境)で実施し,結果をオープンソースの学習マネージメントシステム(Moodle)間とデータ連携する方法については,本研究の研究協力者Kosinskiの所属が,Cambridge UniversityからStanford Universityに完全に移ったこともあり,実行が遅れている.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
この方法を継続するか再検討している.この方法を継続しない場合は,オープンソースの学習マネージメントシステムの追加モジュールの改良費に充てる予定である.
|
Research Products
(6 results)