2018 Fiscal Year Research-status Report
東アジア儀礼文化の比較史的研究―「物品目録」からの復原的考察―
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16K02993
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲田 奈津子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60376639)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 物品目録 / 東アジア / 比較歴史学 / 礼制 / 儀礼 / 武寧王陵 / 誌石 / 墓誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、本年度は産休・育休のため研究を中断した(2018年2月6日~2019年3月31日)。しかし昨年度までの成果を論文や口頭報告として公表する機会を得たので、以下に概略しておく。 2、礼制・儀礼文化に関する基礎的研究の成果として、論文「小右記」(佐藤信・小口雅史編『古代史料を読む 下 平安王朝篇』同成社、6月)、「死亡報告と弔使派遣の展開」(古瀬奈津子編『律令国家の理想と現実』竹林舎、9月)、および「古代王権と遺詔」(小口雅史編『律令制と日本古代国家』同成社、10月)を発表した。 3、本研究課題に関連の深い中国語論文(劉安志「中古衣物疏の起源と変化」)を、榊佳子氏に翻訳してもらい、これに解説を附して学術誌に掲載(『法史学研究会会報』22、3月)することで、成果の公開に努めた。 4、東アジア儀礼文化の比較研究の一環として取り組んだ武寧王陵誌石をめぐる問題について、「日本古代墓誌と韓国、そして武寧王陵誌石」と題して韓国で研究報告をおこない(武寧王陵誌石学術シンポジウム「武寧王陵誌石の新しい解釈」7月、於韓国国立公州博物館)、同題で韓国の研究誌に論文として発表した(『百済学報』26、11月)。 5、国内外における史跡・史料調査については、多くを断念せざるを得なかったが、奈良国立博物館での正倉院展参観、奈良女子大学での正倉院文書研究会への参加、また来日中の韓国人研究者との研究交流などをおこなうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究を中断したが、前年度までの成果を発表する機会を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「物品目録」史料の収集・整理を継続するとともに、韓国における金石文調査、中国における史跡・史料調査、国内博物館における拓本・模写資 料の調査など、本研究課題に関わる諸資料の調査を順次おこなっていく。特に昨年度・一昨年度に予定しながら実現できなかった中国・韓国における調査を早期に実現する予定である。
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Causes of Carryover |
産休・育休のために中断(2018年2月6日~2019年3月31日)したため。調査計画を、先方の事情なども勘案して調査対象の変更など柔軟に対応しつつ、研究再開後に実現する予定である。
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