2019 Fiscal Year Research-status Report
中央ヨーロッパ・ドイツ系中等学校の比較研究-国家・地域を越えたシステムの検討
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16K03000
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
進藤 修一 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (80294172)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ギムナジウム / 中等教育 / 中央ヨーロッパ / 教育社会史 / 多文化 / 文化交流 / 学校システム / 西洋史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に向け、当研究課題で構想していたプランから、研究の方向性を再検討する必要が生じた。その再検討の結果、中央ヨーロッパの中等学校には地域の特性が色濃く反映されている側面と、すべての学校に共通したシステムがあることが判明した。前者についてはドイツ帝国、ハプスブルク帝国の中等学校に二分し、それぞれの地域的特性をあきらかにするために、これまでに収集した資料を再検討し、この後の研究方向性を定めた。2018年度に解明した事実(①ポーランド・ロシア文化圏(都市:ブローディ、チェルノヴィッツ)、②イタリア語圏(都市:トリエステ)、③チェコ語圏(都市:プラハ、ツナイム)、④ズデーテン地域(カールスバード、エーガー)等の特性)から、各エリアでの学校システムの特色をさらに検討した。後者については、当初より着目していた「学校記録Schulprogramme」の流通状況を検討し、各学校の図書館に学校記録が所蔵されていることや、ライプチヒ市にある出版業者が一括してこの学校記録の発行・管理に携わっているという点に注目し、「学校システム」にこの学校記録の仕組みがどのように影響を与えているのか、考察を行った。 このように、2019年度はこれまでの研究成果を再整理し、資料の再調査を実施しつつ、研究のフレームワークを再構築する作業に従事した。その結果、研究のあらたな方向性が定まりつつあり、2019年度の作業の、その成果は啓蒙的なかたちで2020年度に公刊される予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
勤務先における管理運営業務の増加、家庭における介護の負担(遠方居住かつ複数人)、2月以後の新型コロナウイルス感染防止対策に関する勤務先の全学対応に従事したため、予定より研究がかなり遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染により、2019年度末や2020年度に予定していた現地調査が不可能になるか、見通しが立たない状態である。この状況下で研究成果を出すために、計画の微修正等を検討している。最終年度に予定していた海外での学会報告(ドイツ教育学会を想定、内訳:交通費=250千円×1回、宿泊費=19千円×5泊×1回、日当=6千円×6日×1回=381千円)はオンライン開催等になった場合、大幅に支出を節約できる可能性があるが、その場合は、日本国内で可能な追加資料の収集などに宛てる。また、これまで収集した資料の整理謝金(内訳:1人×4月[一ヶ月10時間] 、時給1,200円)、複写費(その他複写費=20千円)は予定通り支出する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画に遅延が生じたため、経費を使用しない形での研究実施となった。また、年度最後の新型コロナウイルス感染拡大により、研究活動に遅れが生じ、その影響もあり支出を差し控えることとなった。この状況下で研究成果を出すために、計画の微修正等を検討している。最終年度に予定していた海外での学会報告(ドイツ教育学会を想定、内訳:交通費=250千円×1回、宿泊費=19千円×5泊×1回、日当=6千円×6日×1回=381千円)はオンライン開催等になった場合、大幅に支出を節約できる可能性があるが、その場合は、日本国内で可能な追加資料の収集などに宛てる。また、これまで収集した資料の整理謝金(内訳:1人×4月[一ヶ月10時間] 、時給1,200円)、複写費(その他複写費=20千円)は予定通り支出する予定である。
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