2020 Fiscal Year Research-status Report
中央ヨーロッパ・ドイツ系中等学校の比較研究-国家・地域を越えたシステムの検討
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16K03000
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
進藤 修一 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (80294172)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 学校社会史 / 中央ヨーロッパ / ドイツ / オーストリア / ドイツ語圏 / 中等教育 / ギムナジウム |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴うドイツへの渡航禁止措置のため、計画していた本研究最終段階の文献収集や、ドイツの研究者との交流を断念せざるを得なくなった。そこで、これまで進めてきた調査・研究により蓄積された成果を、まずは邦語で国内向けに還元するという方向転換を試み、本年度は啓蒙書『はじめて学ぶドイツの歴史と文化』に編著者としてかかわり、「二つの世界大戦の時代」「学校から見たドイツ史-社会におけるその機能」の二章の執筆も担当した。「二つの世界大戦の時代」においては、本研究の対象となる時期の社会的背景をあらためて整理することとなり、その作業をつうじてあらたな視点を提供し、研究の方向修正に大いに資する研究となっている。「学校から見たドイツ史」は、学校の社会的機能を再検討することにより、同じく今後の研究の方向修正に向けた作業となっている。 これまでさまざまな事情で本研究には遅れが見られたが、2020年度は一定の研究成果を発表することができ、当初の研究計画のゴールに向けて遅れを取り戻すことができた、ということができよう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以下の事情により、本研究はやや遅れている、という評価である。 1) 課題設定の見直しによる、研究方針の変更 2) 介護による家庭の事情の変化。 3) 新型コロナウイルスの感染拡大への対応、ならびに新型コロナウイルス感染拡大によるドイツへの渡航禁止、それに伴う資料調査の中止。 これら複数の要素により、研究機関の延長の措置をとり、当初の目的ベースに復帰するよう努力をしている。2020年度は一定の研究成果を発表することができ、「遅れている」と見込まれていた自己評価を「やや遅れている」とすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで渉猟した学校記録については、研究の見直しを踏まえて再整理、再検討を実施している。この間、ドイツにおいて電子化されたものも含め、渡航せずに利用できるものもわずかではあるが増えている。また、これまで主として調査を進めてきた「ドイツ教育史文書館」所蔵資料については、渡航が可能となった場合に最終訪問をし、文献のチェックをする予定であったが、2020年2月末に不法侵入があり、その結果水道管が破壊され多くの文献が水没するという事態に見舞われている。今後の計画が順調に遂行できるのかどうか、渡航制限の解除と文書館の修復状況に影響されるというのが現状である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大により研究に遅延が生じ、その結果次年度使用額が生じた。最終年度は、研究の最終まとめに必要な人件費や印刷費、物品費に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)