2016 Fiscal Year Research-status Report
帝国日本の南方支配をめぐる『グローバル人材』教育にかんする研究
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16K03005
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大久保 由理 日本女子大学, 人間社会学部, 助教 (20574221)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 南方移民 / 大東亜共栄圏 / 沖縄 / 移民教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2016年度は、研究計画にもとづいて沖縄県における南方移民史および移民教育史に焦点をあて、文献調査および現地調査を実施した。現地調査は2016年9月1日~6日、那覇市の県立公文書館、琉球大学図書館などで公文書および市史を中心とする資料調査を実施し、また本研究での調査対象である、旧拓務省管轄の県立拓南訓練所が設置されていた金武町での調査を実施した。 金武町は沖縄県においても「移民発祥の地」として知られる土地柄であり、地域史としての資料の収集は順調に進んでいる。しかし、拓南訓練所に関しては運営機関が主として戦時であったために、一次資料の発掘は極めて困難であることが判明した。このため、今後は関係者への聞き取り調査を中心的に行うことで研究を進め、今年度中に論文発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
戦時に運営された県立拓南訓練所については残存資料がかなり少ないため、関係者への聞き取り調査が必須となったが、2016年度は現地調査を実施するための日程を長期で取ることが困難であった。このため、本年度は短期での調査の回数を増やすことにより、調査を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は現地調査においても特に聞き取り調査が必須となるが、そのためには少なくとも週単位での調査が欠かせない。本年度は昨年度の課題であった沖縄に加えて、台湾調査も予定しているため、短期滞在を積極的に実施する。また研究補助者を内外で雇用あるいは同行するなどの対応で、今後の研究を推進していきたい。
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Causes of Carryover |
2016年度は、当初の計画よりも現地調査のための十分な日程を確保することができず、助成金を十分に活用して研究を進めることが困難であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、昨年度を踏まえて長期での調査だけでなく、短期調査を積極的に実施し、特に現地調査を中心に進める計画である。また、沖縄だけでなく、台湾での調査も実施し、基礎的な調査を終える予定である。
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