2018 Fiscal Year Research-status Report
帝国日本の南方支配をめぐる『グローバル人材』教育にかんする研究
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16K03005
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
大久保 由理 日本女子大学, 人間社会学部, 助教 (20574221)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 南方移民 / 沖縄 / 台湾 / 大東亜共栄圏 / 拓南 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、台湾調査を2回(2018年9月、2019年1月)実施し、史料収集を行なった。また日本統治下の台湾史を専門とする研究者とも研究交流を行なった。特に台湾図書館は、日本統治時代の南方資料館の資料を所蔵しているため、貴重資料および重要資料を効率的に閲覧することができた。その結果、「拓南農業戦士訓練所」「拓南工業戦士訓練所」など、台湾の南方要員訓練機関や、台湾女性の訓練機関などについての解明がすすみ、当時の「内地」と台湾総督府の人的連鎖、政策的関連などについても成果を得た。 また、9月には沖縄で開催された琉球アジア社会文化研究会主催のシンポジウムに参加し、沖縄のオーラルヒストリー研究者や、自治体史に関わる研究者らと研究交流を行うことができた。 次年度は、昨年度金武村で行なった調査をベースにして、沖縄の南方移民および戦時南方移民訓練機関についての研究発表、および論文執筆を行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は沖縄調査1回、台湾調査2回と、現地調査を昨年以上に実施し、資料収集が進んだ。このため、それまでの2年に比して進捗状況は改善したが、全体としては執筆が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでの沖縄調査に基づき、研究調査報告および執筆をすすめ、また台湾調査においては、資料収集に加えてインタビュー調査を進める予定である。ただし、聞き取り対象者らの高齢化によりインタビューが困難になっており、その際は個人史料の収集に注力する。
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Causes of Carryover |
2016年度の科研費交付決定と同時に現職に就いたが、勤務体制および業務内容により研究にさくエフォート率が大幅に減った。特に沖縄と台湾の現地調査を中心として計画をたてた研究であったが、肝心の調査の時間が取れず研究の進捗が遅れる結果となった。特に台湾でのインタビュー調査が進んでいないため、2019年度はインタビューを進め、主に通訳等の人件費・謝金として使用したい。また「南進政策」に関する貴重な古書籍の収集にも注力したい。
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