2016 Fiscal Year Research-status Report
朝鮮出兵に関する豊臣秀吉文書の年代比定:豊臣秀吉文書の集成にむけた基礎的分析
Project/Area Number |
16K03016
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
津野 倫明 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (60335916)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 豊臣秀吉文書 / 年代比定 / 朝鮮出兵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、朝鮮出兵(文禄・慶長の役)に関する68通の豊臣秀吉文書の年代比定を全体構想としている。初年度にあたる本年度は、文禄の役に関すると推測される35通の年代比定にかかわる秀吉文書および関連する副状・諸大名間の書状などを収集と分析を進めた。また、デジタルカメラ・秀吉文書収録図書・朝鮮出兵関連図書を購入し、次年度以降も収集と分析を実行しうる態勢を整えた。 1.史料収集:(1)7月、東京大学史料編纂所において保阪潤治氏所蔵文書などの史料調査(閲覧・筆写)を実施した。(2)12月、五島美術館大東急記念文庫において高橋家伝来武家書状集の史料調査(閲覧・筆写)を実施した。(3)1月、東京大学史料編纂所において古市文書などの史料調査(閲覧・筆写)を実施した。(4)2月、宮崎県文書センターにおいて都城島津家文書の史料調査(閲覧・撮影)を実施した。(5)東京大学史料編纂所所蔵謄写本「伊東系譜」の複製を原本所蔵者の許可を得て入手した。(6)佐賀県立名護屋城博物館所蔵の2通の豊臣秀吉朱印状の写真データを入手した。2.史料分析:(1)1の作業により33通を収集し、年代比定を進めている。(2)色を用いた呼称(例えば、「白国」は慶尚道)が秀吉文書に登場するのは文禄2(1593)年2月16日以降との知見を得た。3.研究発表:主要な発表は次のとおりであった。(1)「日本文献の壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の記録とその限界」を学会発表(国際学会、招待講演)することができ、研究論文としても発表する予定である。(2)「文禄・慶長の役における日本の戦意」を学会発表(国際学会、招待講演)することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
朝鮮出兵に関する68通の豊臣秀吉文書の年代比定をすべく、交付申請書の「研究実施計画」に記載した史料調査(おもに東京大学史料編纂所)をほぼ計画どおり実施している。こうした計画の着実な実施により、これを前提とする史料分析も進んでいるので、本研究はおおむね順調に進展していると評価してよいと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究実施計画のうち史料調査はおおむね順調に実施されてきたといえる。一部は2年目の調査対象を先取りさえしている。このような進捗状況をふまえるならば、2年目にあたる平成29年度も「研究計画調書」の研究計画を堅実に実施してゆくとともに、史料分析にやや比重を移すことが最善の方策であると判断する。
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Causes of Carryover |
本研究の遂行に不可欠の豊臣秀吉朝鮮侵略関係史料集成(予定額約50,000円)の刊行、販売が遅れたことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の豊臣秀吉朝鮮侵略関係史料集成を購入する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 文禄・慶長の役における日本の戦意2017
Author(s)
津野倫明
Organizer
2017 One Asia Forum/Korean Studies Lab
Place of Presentation
バンクーバー市(カナダ)ブリティッシュコロンビア大学
Year and Date
2017-03-10 – 2017-03-10
Int'l Joint Research / Invited
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