2017 Fiscal Year Research-status Report
15・16世紀における少弐氏の総合的研究 ―日朝関係史と九州政治史の視角から―
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16K03018
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 幸司 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (30364128)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 少弐氏 / 博多 / 東アジア / 外交 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、少弐氏の外交関係史料および国内史料の収集活動を継続し、あわせて収集史料の整理活動等をおこなった。また、少弐氏の外交活動に影響を及ぼしたであろう周辺事情の確認作業も、史料等にもとづいて考察をおこなった。 これらの作業の過程において知り得た知見については、その一部を、中国海洋大学(青島市)でおこなわれたシンポジウム第一届海洋論壇「海洋文明與東亜発展」における招待報告、中世都市研究会博多大会2017における研究報告、および中世史研究会大会(名古屋市)における公開講演等の場でおこなった口頭報告のバックボーンとして活かされている。 とりわけ、少弐氏の外交拠点として位置していた中世都市博多に関する動向については、少弐氏の外交活動と国内活動とをリンクして考察しようとする本研究においては、必ず押さえておかねばならない点であり、その意味で従来の博多研究を港市の視点から再検討することができたのは成果であった。その作業は、最終年度においておこなおうとしている少弐氏の外交活動を総轄する上でも、非常に重要な土台となると考えている。また、西国諸氏の外交と室町幕府の外交を比較しようと試みた報告では、西国諸氏の一つとして少弐氏のことも若干ながら加味することができたのも、本研究による成果だと考えている。 以上の作業を踏まえて、最終年度では本研究の目的である少弐氏の外交活動について総合的に解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定と比べると、やや遅れているが、最終年度の活動に大きな影響を及ぼすことはないと考えている。万が一、最終年度において作業が遅延するような事態となった場合は、研究期間の延長を申請することも選択肢の一つとしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2ヵ年度で収集した史料及び研究成果を踏まえて、日朝関係史と九州政治史の視角から、15・16世紀における少弐氏の動向を総合的に解明するために、本研究課題と同名の仮題で研究会等で研究報告をおこない、論文化することを予定している。あわせて、これらの過程で課題が浮き出た場合は、その対処のために、史料収集や現地調査などを引き続きおこなっていこうと考えている。
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Causes of Carryover |
昨年度までついていた公務により、科研費よる出張等の日程がとりにくい状況であったが、今年度からは状況が解消されている。 昨年度中に購入予定であった研究書籍およびデータベース等の購入と、史料収集および現地調査を年度の前半までに集中的に入れて遂行し、年度の後半で研究報告とその論文化をおこなっていきたいと考えている。
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Research Products
(5 results)