2021 Fiscal Year Research-status Report
江戸時代の藩校における音楽教習・楽実践から楽思想構築に至る楽文化の総合的研究
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16K03022
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
武内 恵美子 京都市立芸術大学, 日本伝統音楽研究センター, 准教授 (30400518)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 藩校 / 楽 / 雅楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
江戸期に日本全国に開校された藩校では儒学が尊重され、文武の教育がなされていた。中には音楽教習が行われていた藩校が少ないながら存在することがわかっている。しかし、藩校における 音楽教習については、ほとんど調査・研究されておらず、その実態はわかっていない。藩校における音楽教習の実態解明は、一般的に能楽を嗜好していたとされる武家社会の新たな楽実践の形態を解明することにつながる。また単に音楽教習や実践にとどまらず、儒学における 「楽思想」との関連が想定される。 当研究は、音楽教習・実践の実態・楽思想の展開を解明することで、江戸時代の日本で大陸の影響を受けながらも独自に展開した、武家社会における楽思想の構造を解明し、楽をめぐる文化の在り方を総合的に探求することを目的として、 〔1〕これらの藩校における音楽教習の実態を明らかにすること、〔2〕藩校の蔵書や地元の図書館・公文書館等に楽譜・楽書等が所蔵されているか調査すること、〔3〕〔1〕および〔2〕より、これらの藩校における音楽教習の要因を解明すること、〔4〕これらの藩校に共通する音楽教習の思想的展開の有無について明らかにすること、〔5〕以上のことからこれらの藩内の楽の実践の意義、楽思想に関する態度や方向性あるいはその思想的構造を解明することを目指すものである。 しかし、昨年度も新型コロナウイルス感染症による規制等のため、〔2〕に挙げている現地調査を実施することができなかった。 現在、現地調査の再開を待っている状況であり、〔2〕が実施できないと〔3〕以降の研究が遂行できないため、現在は収集できている資料を整理しそれを元に発表等を行っている状況である。 今年度は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校で実施されたシンポジウムにおいて、当該研究で得られた内容を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による利用制限のため、各地での資料調査、収集が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の状況を注視しつつ、各地の図書館資料館等での調査可能な状況になった際には調査資料収集を実施し、研究を遂行する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行のため、調査が実施できなかったため。
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