2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K03029
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
鍛治 宏介 京都学園大学, 人文学部, 准教授 (50512745)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大日本史編纂記録 / 水戸藩 / 史書編纂 / 翻刻 / くずし字 / 京都 / 佐々宗淳 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究の目的のうち、③京都大学総合博物館所蔵「大日本史編纂記録」の翻刻についての作業を主に進めた。今年度は、第一九四、一九八、一九九、二〇〇、二〇一、二〇二、二一三、二一四、二一九、二二五、二二六、二二八、二二九、二三〇、二三一、二三二、二三三、二三四、二三五、二三七冊の計二〇冊の翻刻を終えることができた。これまでの作業実績をあわせると、研究計画において予定していた書状案四七冊分のうち、三六冊分の翻刻を終えることができたことになる。 ここまでの成果により、大串元善(平五郎)、井上玄桐、安積澹泊(角兵衛)、遣迎院、小野沢介之進・内記、安藤為章、安藤為実、板垣宗憺、鵜飼錬斎、佐々宗淳(介三郎)といった、彰考館で史館総裁として、また総裁ではなくとも、京都などでの史料収集に大きな役割を果たした史書編纂における重要人物たちについて、その人物ごとにまとめた書状案の翻刻作業をひとまず終えたことになり、当初の予定であった書状案四七冊の翻刻完了については、ほぼ目途がついたことになる。 「補助事業期間延長承認申請書」に記したように、平成30年度において、研究代表者の勤務先における授業負担が他教員の二倍以上になり、所属学部教務主事としての学務業務、更には大学名変更に伴う新カリキュラム作成等、業務負担過多のために、本研究を遂行するべく十分な時間をとることができなかったため、今年度の研究成果は以上のものとなる。 なお現在、「大日本史編纂記録」を所蔵する京都大学総合博物館では、公益財団法人住友財団「2018年度 文化財維持・修復事業助成」を得て、「大日本史編纂記録」の修補事業が進められているが、本研究における翻刻対象とは異なる冊子が修補の対象となっており、翻刻作業を進めるには支障はない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前述したとおり、研究代表者の勤務先での業務過多のため、本研究遂行のために十分な時間を割くことが叶わず、全体に作業が遅れがちである。今年度、当初の目標である③、①の作業を重点的に進め、その完成を目指すこととなる。②についても、③、①の目途が付き次第、着手することとする。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、「大日本史編纂記録」書状案四七冊の翻刻を一通り終了させて、それと平行してこれまでの翻刻分に関する校正作業も、重点を置いて進めて行くことになる。またその作業とともに、「大日本史編纂記録」収載の古典籍索引について完成させて、その確認を行うことになる。さらに同時に、京都における水戸藩の史料収集活動に関する研究を進めていくこととなる。
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Causes of Carryover |
「補助事業期間延長承認申請書」を申請したように、研究計画の遂行に遅れがみられ、一年間の期間延長を行ったため、次年度使用額が発生している。
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