2020 Fiscal Year Research-status Report
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16K03078
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 久美子 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (80252203)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タイ族 / 清 / ビルマ / シプソンパンナー / シャン州 / タイ北部 / チェントゥン / チェンケン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.1740~1750年代に現在の雲南南部からミャンマーのシャン州東部を経てタイ北部に至る地域のタイ族国家を清がどのように認識していたかについて考察した論文を発表した(‘Qing China’s View of the Eastern Shan States and Northern Thailand in the Mid-eighteenth century’『名古屋大学人文学研究論集』4)。 2.1760年代まで考察年代を広げ、1の内容も含め研究発表をした(日本タイ学会研究大会、2020年10月10日「18世紀半ばにおける、北部タイおよびビルマ・シャン州東部地域に対する中国清朝の認識」)。新たに明らかになった内容は以下の通りである。シプソンパンナーは18世紀前半に清の影響下に入ったが、同時にニャウンヤン朝の影響下にもあった。ニャウンヤン朝の影響力はシャン州、北タイにも及んでいた。1752年のニャウンヤン朝滅亡とコンバウン朝成立以降、コンバウン朝も北タイ、シャン州、雲南南部・西南部に影響力を及ぼそうとし軍を送った。1766年初めには侵入者を追い出すだけでなくその巣窟をたたき根絶やしにすることを清は目指すようになり、同年4月にチェントゥン、チェンケンを占領し、チェントゥン、チェンケン、ムンヨンの土司を任命した。また、同年11月の『清実録』記事には、チェンマイ、チェンセン、チェンラーイの頭目が帰順したので土司職を与えたと書かれている。清はシャン州東部・タイ北部のタイ族国家をも清の土司としようとしたのである。だが1767年前半までにこれらの地は再びビルマの影響下に入る。1768年に清は、これらタイ族国家がかつてからビルマ王朝の影響下にあったことを知るにいたった。 3)新たに明らかにした内容(2の内容)を英文で執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画で一本の論文として執筆する予定だった内容が、実際は検討対象時期をより短くし複数の論文に分ける必要があることがわかったため、当初予定した検討対象時期までの研究論文を執筆するには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に英文で執筆した、1760年代における北タイとシャン州東部地域に対する清朝の認識の変化についての考察を、論文として公表する。1770年代以降の時期の史料を読み、さらに考察を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で海外への渡航や国内での旅行がおこなえず、次年度使用額が生じている。2021年度は、研究を進めるにあたって重要な档案史料を正確に解釈するために、専門家に翻訳等を依頼する予定であり、その謝金に次年度使用額の相当部分を使用する予定である。可能な状況になれば、国際学会での研究発表や海外での史料収集をおこなうことも考えたい。
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Research Products
(2 results)