2019 Fiscal Year Annual Research Report
East Asia's History Textbooks during Modern Age: Focusing on "East Asian History" Textbooks
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16K03086
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
土屋 洋 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (00644931)
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2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 東アジア史 / 歴史教科書 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人びとの歴史認識の形成にあずかって力あった歴史教科書を取り上げ、近代の東アジア各地における歴史教科書の調査・蒐集・分析を通じて、歴史認識のあり方やその変遷、さらには相互の連関について考察を行うものである。
最終年度である本年度は、第三年度までに進捗状況に遅れを生じた部分について、補完的な研究を行った。すなわち、当初予定していた中国東北地区における史料調査の許可が得られないままであり、「満洲国」の歴史教科書についての研究は、優先順位を下げざるを得なくなった。しかし、日中戦争のさなか「国定教科書」として重慶国民政府によって編纂された歴史教科書については、分析を進めるに足る史料が得られたため、その分析を進めた。
具体的には、まず、第三年度に作成し、国際シンポジウムで発表した論文について、必要な修訂を施し、著書（共著）として公表した。次に、第三年度までに蒐集した1930年代以降に中国で編纂された歴史教科書について初歩的な分析を終え、日中戦争下の重慶国民政府によって編纂された国定歴史教科書に関する成果を名古屋で開催された研究会で報告した。さらに、この成果を含む、本研究で得られた中国の歴史教科書についてのより広い知見に基づき、中国・杭州で講演を行った。最後に、清末期の中国の歴史教科書に小さからぬ影響を及ぼした那珂通世『支那通史』の上海翻刻本に附された王国維「重刻支那通史序」等三篇を、その本研究における重要性に鑑み、詳細な注を附して訳出・発表した。
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