2018 Fiscal Year Research-status Report
ブルゴーニュ移動宮廷と在地社会をめぐる比較・交流史的考察
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16K03117
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中堀 博司 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (90423558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 西洋史 / 宮廷 / ブルゴーニュ / 中世 / 比較・交流史 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目の2018年度には、研究協力者の畑が、低地地方の主要都市ヘントやブルッヘにおいて追加の調査を行うとともに、これまで調査できなかったその他の低地主要都市・周辺都市において資料調査・収集を実施した。 ①ヘントおよびブルッヘ(フランドル):ヘント大学図書館における文献資料、およびブルッヘ市立文書館における史料の調査・収集。ブルッヘ聖救世主教会(現司教座聖堂、金羊毛騎士団総会会場)などの史跡調査。②スライス、コルトレイク、アールスト(フランドル):鐘楼(世界遺産)、市門・城砦跡、ベギンホフ、ほかの史跡調査。③ミッデルブルフおよびジーリクゼー(ゼーラント):市庁舎(博物館)、市門・市壁跡等の史跡調査。④アムステルダムおよびホルクム(ホラント):博物館、市門・城砦跡等の資料・史跡調査。⑤メヘレン(メヘレン領主領):聖ロンバウツ教会(現司教座聖堂、金羊毛騎士団総会会場)、市庁舎、参審人館(メヘレン高等法院所在地)、市門ほかの史跡調査。 以上の資料調査や関連史跡・建造物に関する調査のほか、前年度までに収集した史資料の分析に基づき、畑は都市ブルッヘとブルゴーニュ宮廷との交流の様相や、ブルゴーニュ宮廷の有力貴族の活動について報告を行った。また、中堀は、ブルゴーニュ宮廷に密接にかかわる金尾健美氏による財政史研究の書評や、ブルゴーニュ宮廷所在の歴史的都市を現在の視点からどのように見るかに関しての概括的な報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、2度の海外現地調査を踏まえた上で、継続して史跡・建造物等のモニュメント調査、および関連ドキュメントの収集を順調に行えたと思われる。また、最終的な成果に向けて、全体な構想も徐々にまとまりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の2019年度は、これまでの調査を踏まえ、成果報告書の全体像を見据えた上で、ブルゴーニュ宮廷に所縁のある各都市に分散する、史跡・建造物等の調査と、図書館・文書館および博物館・美術館等における資料調査を可能な限りさらに進めていく。同時に、既に得られた画像や資料等を整理しつつ、研究協力者とともに国内外での研究集会における情報交換や資料調査も継続して実施する。 また、これまで同様にブルゴーニュ宮廷をめぐる特定のテーマを絞り込みつつ、論文執筆や学会口頭発表等の成果公表を実施していく。
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Causes of Carryover |
理由は、当初予定していた関連図書の購入を先送りしたことや、3度の海外資料調査では不十分な点を最終的な追加調査で調整しようとしたことによる。 また、追加の海外資料調査の旅費と、図書・資料用の経費として、最終年度の調査の進捗状況に応じて、使用する予定である。
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Research Products
(4 results)