2022 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the Burgundian Itinerant Court Interacted with the Local Societies
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16K03117
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中堀 博司 宮崎大学, 教育学部, 教授 (90423558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 西洋史 / 宮廷 / ブルゴーニュ / 中世 / 比較・交流史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、歴史の彼方に消滅し、現在は独仏間各地に分散するブルゴーニュ移動宮廷の所在と痕跡を、文献・図像資料、現存遺構、考古学遺跡等を通じて体系的に明らかにするとともに、宮廷の在地社会とのかかわりや国際交流の諸相を考察することにある。最終年度の2022年度には、研究代表者の中堀がブルゴーニュ宮廷関連史料を比較史的に論じるとともに、これまで不明な点が多かった都市リルの宮廷所在地をめぐって地誌的な検証を行った。研究協力者の畑は、フランドル都市ブルッヘのぶどう酒贈与帳簿(1468-69年度)を分析した学会発表と論文刊行を行い、シャルル突進公治世初期においては、ブルッヘが定期的なぶどう酒贈与を通じて、それ以前よりもブルゴーニュ宮廷との関係を強めていたことを明らかにした。また研究代表者および研究協力者の各々が同宮廷にかかわる項目を執筆した事典も公刊された。 これまでの期間全体を通じて、研究代表者および研究協力者は、フランス、ベルギーおよびオランダにおける主要都市ヘント、ブルッヘ、イープル、リル、ドゥエ(フランドル地方)、ブリュッセル、メヘレン(ブラバント)、デン・ハーフ(ホラント)、サン=トメール(アルトワ)、ヴァランシエンヌ(エノー)に加え、スライス、コルトレイク、アールスト(フランドル)、ミッデルブルフ、ジーリクゼー(ゼーラント)、アムステルダム、ホルクム(ホラント)の二次的関連都市や、ジャン無畏公およびシャルル突進公の各死没地モントロ(パリ南東)およびナンシィ(ロレーヌ)を踏査し、ブルゴーニュ宮廷の痕跡のほぼ全容が明らかになった。今後、これら主要都市における宮廷やブルゴーニュ宮廷史に不可欠な諸事件をめぐる在地社会とのかかわりを取り上げ、詳述したものを公刊する予定である。
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Research Products
(5 results)