2018 Fiscal Year Annual Research Report
Hellenization-Globalization in Asia Minor and its Diversities
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16K03122
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
師尾 晶子 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (10296329)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 古代地中海世界 / 小アジア / リキア / アケメネス朝ペルシア / アテナイ帝国 / 碑文文化 / ローカル・ヒストリー / 縁起譚 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、国内外の研究者に向けて成果を口頭発表することとワークショップを組織し、共同研究をすすめていく場をつくっていくことに注力した。そのため、竹内一博氏を研究協力者として継続して研究に関わっていただいた。 ヘレニズム・ローマ時代のリキアにおける都市間の競合関係にあって自国の立場を強化するために、地域のいにしえの歴史があらためて語られ、記録され、再評価・再構成された諸相については、いずれも9月に開催された、The Fourth Euro-Japanese Colloquium on the Ancient Mediterranean World (Nagoya University)とOne Day Workshop: Approaches to Local Historiography (Chiba University of Commerce)にて、若干異なるパースペクティヴから口頭報告をおこなった。これについては、現在、英文論文としてまとめているところである。なお、後者のワークショップにおいては、ヘレニズム時代の縁起端について造詣の深いSilvia Barbantani博士を招聘し、議論に加わっていただいている。 10月には「碑文建立の作法と政治文化の表現」というタイトルで口頭報告をおこない(大阪大学)、さらに3月には千葉商科大学で開催した国際ワークショップにおいて、発展的な報告をおこなった。アケメネス朝ペルシアとアテナイ帝国との相互の影響関係だけではなく、両者の周縁に位置した王朝時代のリキアにおいて、双方の影響を受けつつ独自の碑文文化を発展させていった状況を明らかにした。 総じて、東地中海世界における諸文化の複雑なネットワークと接触が、いかに独自の物質文化を発展させ、また独自の神話や歴史を創造していったかについて、リキアをケーススタディとして解明することを試みた。
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Research Products
(19 results)