2018 Fiscal Year Research-status Report
中世フランス王国の政治文化ーカペー・ヴァロワ両王朝期の知識人とその作品ー
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16K03130
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鈴木 道也 東洋大学, 文学部, 教授 (50292636)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 政治文化 / 中世フランス / 王権 / 叙述史料 / 百科全書 |
Outline of Annual Research Achievements |
ここまで中世後期のフランス王国内で作成された複数の史書(ラテン語および俗語)をとりあげ、言語表象のなかの王権と諸権力(都市・諸侯・教会)の関係に着目することで、当該期の学知が示す権力観や国家観を明らかにしてきた。ここ数年はヴァンサン=ド=ボーヴェが編んだ『歴史の鑑』の分析を継続的に実施している。本年度は、この『歴史の鑑』をはじめとする13世紀の百科全書のなかのイスラーム世界についての記述がカトリック圏、とくにフランス王国の知的エリートの思想形成に与えた影響を考えるための予備的作業を行った。これら中世の百科全書のうち何点かは最近デジタルデータベース<SourcEncyMe>にも収録されており、研究環境は大きく改善している。しかし今年度は叙述内容を分析するための方法の検討に手間取り、具体的な分析作業が円滑に進まなかったことから、分析結果をもとに論文を作成するまでには至らなかった。当該領域に関する研究の現状を確認するため分析作業と並んで進めていた代表的な研究文献の翻訳作業についてはある程度の進展をみた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析のために必要な一次史料や研究文献の入手には問題がなかったが、当該研究テーマと並行して進めている他のいくつかの研究テーマに関して、成果を年度内にまとめる必要があり、その取りまとめ作業に時間をとられてしまったため、充分な研究時間を確保することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の進捗状況にはやや遅れが見られたが、研究環境は整備されており、また分析作業も進んできていることから、研究計画を大きく変更する必要はないと思われる。
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Research Products
(2 results)