2019 Fiscal Year Annual Research Report
The political culture of medieval France -Intellectuals and Works of the Capetian and Valois Dynasties-
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16K03130
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
鈴木 道也 東洋大学, 文学部, 教授 (50292636)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 中世フランス / 歴史叙述 / 学知 / 百科全書 / 政治文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題において申請者は、中世後期(13-15世紀)フランス王国における知と権力の関係の再検討をすすめてきた。残念ながら今年度は専門的な研究論文の刊行には至らなかったが、当該研究領域の先駆者として、1980年代以降の中世フランス政治文化研究を牽引してきたベルナール・グネの遺作Bernard GUENEE, Comment on ecrit l'histoire au XIIIe siecle Primat et le Roman des roys(邦題『13世紀に歴史を書くということ-プリマと『王の物語』』), Paris, CNRS Editions, 2016の翻訳作業を、昨年度に続いて実施した(『東洋大学文学部紀要』に公表)。本書は、中世ヨーロッパにおける史書編纂事業の背景にある当時の知的状況や政治思想を見事に描き出しており、知的クラスターとしてのサン=ドニ修道院の役割と限界を知ることができる。 なお、こうした研究活動を踏まえ、最新の知見を社会に提供することを目的として、最近刊行された以下の教科書や概説書にも寄稿した。平野千果子編著『新しく学ぶフランス史』(ミネルヴァ書房、2019年)[第1章「フランス史の時空間」を担当]、金澤周作監修『論点西洋史学』(ミネルヴァ書房、2019年)[第2章20節「歴史と記憶」を担当)、中野隆生・加藤玄編『フランスの歴史を知るための50章』(明石書店、2019年)[第6章「「長い13 世紀」とフランス王国―王権の伸長と王領地の拡大―」を担当]
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Research Products
(5 results)