2018 Fiscal Year Research-status Report
多民族都市レスターの多宗教統合とアイルランド系移民
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16K03134
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐藤 清隆 明治大学, 文学部, 専任教授 (90235333)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イギリス / 多民族都市レスター / 多宗教統合 / アイルランド系移民 / カトリック教会 / パーソナル・ナラティヴ / ライフ・ストーリー |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)2018年度も、現代イギリスにおける多民族・多宗教都市レスターの「好評判」再考に向け、アイルランド系移民やイギリス生まれの移民二世について研究・調査を進めた。その内容は、彼らとのインタビュー、ローマ・カトリック教会やアイルランド系の「エメラルド・センター」訪問、イヴェント参加(聖パトリックの祝日のパレードや他のイヴェントなど)を含む現地調査である。とくにインタビューについては、高齢者を中心に「個人のライフ・ストーリー」を蓄積してきている。 (2)2018年5月18日、レスター大学都市史センターで報告し、明治大学特定課題ユニットの「多宗教・多文化の歴史研究所」から刊行している『記憶と語りシリーズ』(英語版)全10冊の内容紹介を試みた(テーマ「第二次世界大戦後における多民族都市レスター住民の個人の語り」)。このシリーズも新たな学際的研究の試みの一つである。 (3)2018年8月19日、アイルランド系の「エメラルド・センター」の新図書館のオープン・セレモニーに出席し、(2)に挙げた『記憶と語りシリーズ』10冊の展示を行った。 (4)申請者がどうして第二次世界大戦後の多民族都市研究を始めたのか、また「個人の語り」を中心とした『記憶と語りシリーズ』をなぜ刊行し始めたのか、またそれらの冊子はどのような内容なのかを、「多民族都市レスター―『記憶と語りシリーズ』を振り返って―」と題して、歴史学雑誌『駿台史学』(第166号、2019年3月)に英文で掲載した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、『記憶と語りシリーズ』(英語版)の一冊としてインタビューをもとにしたアイルランド系移民2世のライフ・ストーリーを刊行する計画を進めていたが、それがインタビュイー(夫妻)の病気のため、その編集作業を先へ進めることができなかった。ただ、その後、二人の病気は順調に回復しているので、今年度にはそのブックレットを刊行できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度、2017年度、2018年度の研究・調査を踏まえて、さらにインタビューを含む現地調査とその分析を進め、本研究テーマである「多民族都市レスターの多宗教統合とアイルランド系移民」をまとめる作業に繋げる。そのなかで、やや遅れている部分についても挽回し、順調に研究計画を進めていきたい。また、昨年度、刊行できなかった『記憶と語りシリーズ』の一冊としてアイルランド人夫妻のライフ・ストーリーなども今年度中に刊行できるよう作業を進める。これらに加え、昨年度インタビューのできなかった方たちについても、今年度の海外出張中に実施し、これまでの研究・調査を補いたい。
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Causes of Carryover |
昨年度、『記憶と語りシリーズ』(英語版)の一冊としてインタビューをもとにしたアイルランド系移民2世のライフ・ストーリーを刊行する計画を進めていたが、それがインタビュイー(夫妻)の病気のため、その編集作業を先へ進めることができなかった。ただ、その後、二人の病気は順調に回復しているので、今年度にはそのブックレットが刊行できる見通しである。 なお、今年度の使用額は、レスターでの調査・研究(海外出張での旅費交通費・宿泊費)やインタビューのテープ起こし代金などに充てる予定である。
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