2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study in socio-cultural history of French fraternal societies in their international context of Enlightened Europe
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16K03142
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
深沢 克己 京都産業大学, 文化学部, 教授 (60199156)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フリーメイソン / 秘教思想 / 社交結社 / 神秘主義 / 宗教的寛容 / 社会文化史 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 2019年8月31日~9月10日にアイルランド調査旅行をおこない、現地フリーメイソン施設、特にダブリン所在アイルランド大会所を訪問し、フリーメイソン博物館の所蔵品を調査、貴重な資料を閲覧した。これによりアイルランド・メイソン制について認識を深め、ブリテン諸島とフランスを結ぶ秘密友愛団ネットワークへの考察を深めた。さらにダブリンから南部の都市コーク、西部の都市リメリックとゴールウェイを訪れ、初期フリーメイソン組織をフランスに導入するのに貢献したジャコバイトの歴史的痕跡を調査した。 2. 懸案のフランス語論文"Claude-Francois Achard et le debut trouble de la Loge de la Triple Union de Marseille"がフリーメイソン研究雑誌Renaissance Traditionnelle 第194号(2019年4月号、実際の刊行は同年10月)に公表され、研究成果の一部を国際学界に発信した。国内では社会経済史学会編『社会経済史学事典』(丸善出版)のために「ディアスポラ」の項目執筆を担当し、2020年1月に完成原稿を提出、ディアスポラとフリーメイソン団との密接な関連を示唆した(2020 年11 月刊行予定)。 3. 2020年2月12日、日本学士院第一部会において、「啓蒙期フリーメイソン史研究の現状と論点」と題する論文報告をおこなった。同報告原稿は、2020年度の『日本学士院紀要』に公表予定である。さらに同年2月19日、長野市民教養講座「交通の諸形態と言語・宗教・国家」第9回を担当し、「港町からヨーロッパ史を見る」と題する講演をおこない、国際交流における秘密友愛団の役割を説明、研究成果を一般市民に還元した。 4. フリーメイソン史・宗教史の史料集と文献の購入を継続し、研究環境を整備した。
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