2017 Fiscal Year Research-status Report
地方中枢都市の経済基盤の変化と持続可能な発展の方向に関する研究
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16K03181
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Research Institution | Chugoku Gakuen University |
Principal Investigator |
日野 正輝 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授(移行) (30156608)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地方中枢都市 / 広域中心都市 / 都市間結合 / 自都市中心ネットワーク / 経済基盤産業 |
Outline of Annual Research Achievements |
地方中枢都市(広域中心都市)を事例にして、都市の持続可能な活性化の方向を都市間結合のタイプに着目して提示した。①都市間結合のタイプとして、大企業の支店配置に代表される本社所在都市と支店配置都市の間の階層的結合、②後背地域の都市に立地する企業が事業拡大のために地域中心都市に拠点を配置することなどによって形成される都市間結合(門戸機能による結合)、③自都市に所在する様々な組織・個人が他地域の組織・個人と水平的な関係を結ぶことによって形成される自都市中心の結合関係。上記3タイプが都市間結合の基本的パターンと位置づけられるが、タイプ①の結合はすでに発展しており、今後大きく拡大することが望めない。 タイプ②、③は未発達な結合であり、今後の拡大が期待できる。とくに、③タイプの結合は多様な行動主体が係る結合であり、個々の結合がたとえ小さなものであっても、都市の活性化を維持する上で、潜在力が大きく、それを支える環境整備が求められることを指摘した。それらの成果は、国内外の学会で発表した。 そのほか、経済センサスを用いて、4地方中枢都市の経済力格差について統計分析を試みた。そこでは、各都市の経済基盤産業就業者を1991年、1996年、2001年、2006年、2009年、2014年の6年次にわたって算出し、その動向の都市比較を行った。1996年以降、各都市とも基盤産業従業者を減少させる中で、広島の落ち込みが大きく、福岡と広島の格差の拡大を印象づけるものになっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度実施した用語「地方中枢都市」の出現と普及の経緯を検討した結果のまとめ、および都市の総合計画の比較検討のために、4都市の関係資料収集を実施したために、平成29年度の研究計画に挙げていた人口移動および集客産業に関する分析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
4都市の人口移動統計の分析および都市の集客力を反映する指標の探索とそれに基づく都市比較を進める。その上で、4地方都市間の経済力格差の形成の要因について、各都市の総合計画に描かれた都市像の差異を含めて考察を加える。
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Causes of Carryover |
当初予定した資料整理およびデータの入力作業などでのアルバイトの活用を控えたことで、次年度繰越が発生した。今年度は8月にカナダ、ケベック市開催されるIGU地域大会で研究成果を発表する予定であり、その旅費に当てる。
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Research Products
(4 results)