2019 Fiscal Year Research-status Report
漁場図・地誌書等にみる地域の海洋資源利用の過去と現在
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16K03186
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
橋村 修 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00414037)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 漁場図 / 地誌書 / 伝統 / 漁業 / 漁場 / 史料 / 絵図 / フィールドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は、地誌書・漁場図に描かれた世界の現地調査研究、調査で撮影した漁業関係古文書の解読と研究、これまでの研究成果の国際シンポジウム(韓国ソウル)や国内学会での報告、論文執筆に区分される。 現地調査とそれに関わる研究は、広島県福山市鞆の浦における伝統的な鯛縛り網漁の見学調査、香川県高松市における伝統漁の調査、京都府伊根町の舟屋集落研究、熊本県天草市の近世から昭和期までの漁業史研究(特にマンビキ(シイラ)漁とカンダラ慣習)、長崎県野母崎地区と五島列島の漁場図を中心とした漁業史研究(野母崎歴史民俗資料館、長崎歴史博物館所蔵資料)、宮城県気仙沼市のカツオとシイラ、マンボウの漁の歴史と現状に注目した研究などを実施した。 古文書の解読は、謝金バイトの協力を得て、本研究で撮影してきた童虎山房文庫(奄美市立博物館)に入る薩摩藩関係の近世漁業史料を対象に実施した。研究の空白地帯であった鹿児島県大隅地方の漁業史については高山郷の漁場相論史料と漁業状況史料を、薩摩半島南部については南さつま市久志地区の近世末期マグロ網漁業史料を解読した。 国際シンポジウムでの報告は、8月に韓国ソウルでの韓日比較民俗学会において魚利用と性別に関する内容で口頭で実施した。国内報告は、2月の生き物文化誌学会気仙沼例会において三陸の漁業文化について西日本と比較する視点で口頭で実施した。また、論文執筆も進め、研究成果が公刊された。 なお、当初3月に予定していた調査研究をコロナウィルスの影響で中止したことに伴い、本研究は2020年に継続して実施することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、本研究は本年度で終了する予定だったため、研究成果の報告、収集史料の解読などを進めていた。しかしながら、コロナウィルスの影響で当初予定していた調査研究を中止したにしたことにより、本研究は2020年度に継続して実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は2019年度に実施する予定だった調査研究をおこなう予定である。調査先の受け入れ体制も整っているので、コロナウィルスによる自粛解除後に調査を実施したい。 それが困難な場合は、古文書解読の謝金バイト依頼や研究文献の購入を進め、研究を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により2020年3月に予定していた研究を実施できなかったことによる。翌年度の使用計画としては、現地調査旅費を予定している。すでに現地での受け入れ体制はととのっている。なおもし調査が困難な場合は、古文書解読のバイト謝金、文献購入に充当する予定である。
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Research Products
(8 results)