2019 Fiscal Year Research-status Report
地震被災地の経験に立脚した震災復興策と防災・減災教育の地域間共有の促進
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16K03189
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
香川 貴志 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70214252)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地震災害 / 防災・減災教育 / プレー境界型型地震 / プレート内断層型地震 / 北海道南西沖地震 / 東北地方太平洋沖地震 / ポートアルバーニ / クライイストチャーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は当初予定の最終年度にあたるため、国内での補足調査や研究発表、および論文執筆に励む計画を立てた。これらのうち、海外フィールドにおいては、ニュージーランド(以下、NZ)のクライストチャーチ、およびカナダのバンクーバーでの成果報告(成果を示しての現地関係者との議論、於:ブリティッシュ・コロンビア大学地理学研究室)を予定していた。2020年2月、NZのクライストチャーチの現地調査でお世話になった2校(初等教育学校および初等・中等教育学校)を訪問し、旧年度までの成果報告を行った。しかしながら、年末からのCOVID-19拡大、またそれに伴う勤務先の渡航自粛要請を受けて、3月に予定していたバンクーバーでの成果報告は断念せざるを得なかった。そのため、研究期間の延長をJSPSへ願い出て研究期間が令和2年度まで延長されることとなった。 他方、国内では現在執筆中の成果報告(査読付き雑誌に投稿予定)の補足調査として1993年北海道南西沖地震の被災地である奥尻島、および函館市立中央図書館を訪問して現地調査(現地関係者への聴き取り、防災関連施設の補足調査、資料収集)を実施した。その結果は9月に開催された東北地理学会秋季学術大会(北海学園大学)で報告した。また、カナダでの調査成果が査読雑誌の『人文地理』第71巻第3号に掲載された。 実施が叶わなかったカナダでの成果報告については、その準備が概ね整っているため、現地との日程調整を重ねているが、日本・カナダ両国における海外渡航自粛や出入国規制の情勢からして6月5日現在では日程を確定するに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の「研究実績の概要」のとおり、COVID-19拡大にともなう不可抗力での渡航順延(日程未定)を除いては、国内外における現地補足調査、研究発表、論文執筆・公表を全て実施できていることに加えて、勤務先の担当授業や免許更新講習において防災・減災教育の見地から研究成果の社会還元を果たせている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は期間延長による予算残額が少ないため、順延したバンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア大学)での成果報告を渡航可能になった段階で実施する。また、防災・減災教育の見地から効果が非常に高いと推定される小学校社会科副読本の地域間比較(北海道奥尻町、岩手県宮古市、和歌山県広川町)をテーマにした論文を完成させ査読雑誌に投稿予定である。また、勤務先の担当授業や免許更新講習における研究成果の社会還元を引き続き進める。
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Causes of Carryover |
COVID-19拡大にともなう日本政府および勤務先からの渡航自粛要請、および渡航予定先のカナダ国の出入国規制を受けての渡航順延のため。
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