2016 Fiscal Year Research-status Report
地方中小都市における中心市街地居住の課題と持続可能な生活環境の再構築
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16K03191
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山下 博樹 鳥取大学, 地域学部, 教授 (00314568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正 鳥取大学, 地域学部, 教授 (20165335)
戸所 隆 高崎経済大学, 地域科学研究所, 名誉教授 (80066745)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地方都市 / 中心市街地 / まちなか居住 / コンパクトシティ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究実績の概要は、次の通りである。 ①地方中小都市における中心市街地の機能の現状を把握するため、金沢市、松江市、米子市などで現地踏査と各種資料収集等を行った。これらの都市の状況を相対化するために、仙台市、名古屋市などの地方大都市の公共交通などのインフラ整備の状況も調査分析し、比較検討をした。これらの比較検討を通じて、地方の大都市と中小都市との比較において、中心市街地の現状はむしろ大都市との差よりも、中小都市でも金沢レベルの中都市と米子・松江レベルの都市の間での差がより顕著であった。このことから、人口20万に満たない県庁所在都市などの中心市街地機能の再生が不可欠であることが確認できた。他方で、大都市においても郊外核となる地区では機能空洞化の兆候も認められ、郊外が日常生活の中心と化した地方中小都市とは異なる状況が確認でき、新たな課題となった。 ②海外都市における最新の中心市街地活性化の取り組みを検討するため、オーストラリアのパース都市圏の現地調査を行った。パースのある西オーストラリア州は、長らく鉱産資源開発が地域経済の大きな柱となっていたが、近年パース中心部のエリザベス・キー地区を中心にコンベンション施設、ホテル、商業施設のほか、複数のマンションや鉄道とバスのターミナルが整備中で、観光資源としてだけでなくまちなか居住の機能も強化され、公共交通との高い結節性と合わせて中心部の魅力が大幅に向上しつつあることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本務校の事情により、本研究に当てるエフォートを当初の予定通りに確保できなかった。その結果、本年度当初予定していた自治体へのアンケートなどが実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本務校の事情は、当面解消される見込みがないため、研究計画の一部変更が必要となるものと思われる。自治体へのアンケートに代えて、聞き取り調査などへの変更も検討するつもりである。
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Causes of Carryover |
本務校の業務多忙などの理由から、当初の研究計画の一部を実施できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究方法の一部を変更し、次年度に繰り延べて実施する計画である。
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