2017 Fiscal Year Research-status Report
新興国におけるICT産業の産業集積地域の形成過程と構造変化に関する比較研究
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16K03192
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北川 博史 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20270994)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 産業集積 / ICT産業 / 新興国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題はアジアの新興国、とくにインドと中国におけるICT産業の集積地域の形成過程と構造変化を明らかにすることを目的としている。この研究目的を達成するために、概ね二段階の調査分析を行う研究計画を予定していた。第一段階として、新興国国内のICT産業集積地域における企業集積の構造とその動態について把握するための基礎となる資料収集と収集された資料を分析することにより、ICT産業の集積地域の形成過程と構造変化の解明に接近すること、第二段階として、ICT産業の集積過程を人的資源の動向から把握することを試みること、とくにICT産業技術者のライフヒストリーに注目して、ローカルな人的資源の蓄積過程を企業レベルにおいて捉えることである。 こうした大まかな研究計画の元で、平成29年度の当初の研究計画は、インドにおいて企業集積の構造とその動態に関する基礎資料の収集に努めることにあった。しかしながら、国内外の情勢に照らし、平成30年度に予定していた国内での調査と資料の収集を先行させることとした。具体的には、日本国内でのアジア新興国企業についての基礎資料の収集を行った。とくに、在日インド系企業の動向の把握に努めるとともに、その立地動態について検討を行った。また、アメリカ合衆国におけるインド人技術者の動向が本研究課題の分析において必要であることが判明し、同国において資料収集に努めた。 結果としては、インド系企業の立地動向が概ね明らかとなり、今後予定しているインド系ICT企業における雇用状況と技術者のライフヒストリー分析についての詳細な実態調査を行う上での基礎資料の収集することができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の当初計画は、インドにおいて企業集積の構造とその動態に関する基礎資料の収集に努めることにあった。しかしながら、国内外の情勢に照らし、平成30年度に予定していた国内での調査と資料の収集を先行させることとした。結果としては、平成289年度に予定していた調査を十分に行うことはできなかったが、平成30年度に予定していた調査及び分析を先行させることにより、研究全体の進捗状況に関しては、やや遅れている感は否めないものの、とくに問題ないものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
国外の情勢にもよるが、平成29年度においては、平成29年度に予定していたインドもしくは中国における現地調査を行う予定である。その後、当初計画通り、平成30年及び31年度に予定している研究計画に沿った調査分析を行い、研究目的の達成に接近したいと考えている。
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Causes of Carryover |
(理由) 当初の研究計画においては、平成29年度にインド現地における調査を予定していたため、当該年度の配分額の多くを旅費として使用させて頂くことを考えていた。しかしながら、国内外の情勢に照らし、平成30年度に予定していた計画の内、日本国内で行える調査を先行させることにした。そのため、次年度へ繰り越す経費が生じることとなった。 (使用計画) 平成30年度は、当初計画において平成29年度に予定していたインドでの基礎資料の収集を目した現地調査と平成30年度に予定していたインドでの現地企業での人的資源の蓄積過程に関する調査を行うために助成金を使用させていただきたいと考えている。
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