2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K03197
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鈴木 洋太郎 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (30226568)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際産業立地 / アジア新興国 / 大都市圏の課題 / 日系アジア現地法人 / 上海大都市圏 / バンコク大都市圏 / 都市ごみ問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本企業が多数進出しているアジア新興国では、中国の上海大都市圏やタイのバンコク大都市圏など大都市圏に産業集積が急速に形成されてきている。本研究は、産業立地論の観点から日本企業・関西企業のアジア進出や現地での産業集積形成を実態分析しながら、アジア新興国の大都市圏について、その立地環境上の特性を明らかにするとともに、日本の大都市圏(特に大阪大都市圏)との産業集積ネットワークの状況や今後のあり方を考察することを目的としている。 上記の目的を達成するため、アジア新興国の大都市圏の産業立地に関するデータ分析を行うだけでなく、日系アジア現地法人への訪問調査を通じて、アジア新興国の大都市圏における集積状況や立地環境上の特性を調査・分析していく。本年度は、物流関連機器産業や環境関連機器産業に関する日系アジア現地法人(中国の上海大都市圏およびタイのバンコク大都市圏に立地)への訪問調査を実施することができた。 アジア新興国の大都市圏は、急速な工業化や都市化に伴った諸課題(環境問題やエネルギー問題など)を抱えていると考えられるが、本年度の現地訪問調査を通じて、上海大都市圏やバンコク大都市圏において、都市ごみ問題が重大な問題となっており、都市ごみの衛生処理と再生エネルギー活用の観点から、ごみ処理発電プラントが普及しつつあることや、こうした事業分野での日系企業のアジア進出が行われていることを調査研究できたことは大きな成果といえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、アジア新興国(主に中国と東南アジア諸国)の大都市圏の国際産業立地について、日系アジア現地法人への訪問調査を通じて分析していくところに研究方法上の特色があるが、昨年度のベトナムのハノイ大都市圏およびホーチミン大都市圏に続いて、本年度は、中国の上海大都市圏、タイのバンコク大都市圏について有意義な現地調査を行うことができた。また、こうした大都市圏の産業集積形成に関連した課題についても検討できた。
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Strategy for Future Research Activity |
アジア大都市圏の国際産業立地に関する本研究を推進するため、引き続き、日系アジア現地法人への訪問調査を実施していく。また、理論的および政策的なインプリケーションを引き出せるように、調査結果を整理・検討していく。
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