2017 Fiscal Year Annual Research Report
大阪生野コリアタウンにおける新たな重層的・複合的空間への変容実態に関する研究
Project/Area Number |
16K03199
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
孫 ミ京 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ特別研究員 (90756371)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 大阪生野 / 済州道 / 4.3事件 / 密航 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①ホスト社会(日本・マジョリティー)-在日社会(朝鮮半島・マイノリティ)【National・エスニシティ】、②北(総連)‐南(民団)【National・イデオロギー】、③ソウル(中央)‐済州島(周辺)【Regional】、④在日コリアンオールドカマー-在日コリアンニューカマー【generation】など多層的・複合的な空間である大阪生野コリアタウンにおける多層的・複合的空間に生きる人々【people】を対象に、日常的生活空間におけるホスト社会とマイノリティの関係に着目することで、そこに生きる人々の姿を明らかにすることを目的としている。 今年度は、研究目的に沿いながら主に①と③にフォーカスを合わせながら調査を進められた。①においては、130年の歴史を持ちながら「猪飼野地車」の巡行をする<猪飼野保存会>の方々を対象にしたインタビュー調査をはじめ、<猪飼野の歴史と文化を考える会>のメンバー、商店街の方などのインタビュー調査を進められた。大阪生野は今まで在日が主に研究対象として取り上げられて、ホスト社会である日本社会・コミュニティや日本人商店街が周辺化されてきた。それでマイノリティ集住地におけるホスト社会に対する認識調査などは十分ではない。今年のインタビュー調査の成果はホスト社会における<生野>という地域や在日コリアンに対する認識を少し伺うことができた。③においては<済州島4・3事件在日本済州4・3事件犠牲者慰霊祭>の遺族会の協力を得ながら、4・3事件以後から密航により日本に渡日した方々のインタビュー調査を重ねながら、済州島を尋ねて済州島から大阪をはじめ日本各地に密航経験がある方などを訪ねてインタビュー調査を進められた。これらの調査により大阪生野に定着していく過程や不法から合法的な生活権を得ていくプロセス、生野と済州島とのネットワークが作られるプロセスなどの一部を描くことができた。
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