タイの青果物流通構造とその担い手

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K03203
• Research Institution: Daito Bunka University
• Principal Investigator: 遠藤 元 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (30307144)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: タイ / 東南アジア / 流通 / 市場 / 青果物 / 消費 / スーパーマーケット / 中間流通

Outline of Annual Research Achievements

前年度に引き続き、現地経済紙（プラチャーチャート・トゥラキット）をはじめとするタイ語資料の渉猟、理論の批判的検討を目的とした英語論文の精読などを日常的に行ったほか、2017年8月と2018年3月に現地調査を実施した。現地調査では、特に次の通り、一次資料収集あるいはインタビュー調査を行った。
（1）タイの代表的な生鮮青果物卸売市場（バンコクから西へ100kmのラーチャブリー県にあるタラート・シームアン、バンコクと北接するパトゥムターニー県にあるタラート・タイ）では、中央卸売市場の取引参加者、取引関係、取扱商品の特徴、スーパーマーケットなど近代小売業との競合関係などに関してデータを得た。（2）政府関連機関（農業・協同組合省県農業事務所農業局、県農業事務所）では、タイにおける生鮮青果物標準（Good Agricultural Practices: GAP）に関する説明、調査対象農産物の生産・栽培に関する非公開データの提供、生産者組合の紹介などの点で、協力を得た。（3）バンコク近郊県の果実生産者組合では、活動の概要説明を受けたほか、2018年8月に予定している調査の協力依頼を行った。（4）タイ人の農産物生産・流通に関する専門家（大学教員、青果物貿易コンサルタントなど）と面談し、業界に関する説明を受けたほか、2018年8月に予定している調査の協力依頼を行った。（5）非上場企業の財務データと経営組織データを得るために、商業省事業開発局で各社のファイルを閲覧した。（6）2017年8月、タイとの比較のために隣国のミャンマーを訪問した。
いずれも、「タイの青果物流通構造とその担い手」を解明するための基礎的作業であり、2018年8月および2019年3月に予定している現地調査にとって不可欠なステップである。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

個人的事情により2017（平成29）年3月に予定していた現地調査が実施できなかったが、上述の通り、2017年度に実施した2度の調査により、遅れた分をある程度取り返すことができた。
2018年度に予定している2度の調査により、遅れた分はすべて取り返すことができると見込んでいる。

Strategy for Future Research Activity

2016年度にやや遅れた分を取り返し、当初の研究計画に沿って進めていく予定である。

Causes of Carryover

2016年度の遅れを2017年度はかなり取り戻したものの、まだ予算未消化分が少し残っていることと、2018年3月の中旬から下旬に実施した現地調査の精算が2018年度に持ち越されたことのためである。
未精算分の処理が完了すれば、その差額は大幅に縮まると考えられる。