2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K03206
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
加茂 浩靖 日本福祉大学, 経済学部, 教授 (90454412)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地方移住 / 労働市場 / ミスマッチ / 国内周辺地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度研究では、雇用機会が相対的に僅少な国内周辺地域における移住希望者と事業所の求人求職をめぐる問題に焦点を当てた。国内周辺地域ではホワイトカラー職求人の割合が小さく、大都市圏の移住希望者の技能を活用できる雇用機会が少ない。このため労働力需給のミスマッチが生じやすく、移住希望者と地元企業をいかに仲介するのかが、移住者受入れにとっての大きな課題である。本研究では九州地方を事例地域として取り上げ、地方自治体や公共職業安定所の提供資料、事業所聞き取りでの収集資料等の分析にもとづいて、地方移住をめぐる求人求職の実態把握を試みた。 分析結果は以下のとおりである。 2014年の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の閣議決定以降、九州地方の県や市町村においても移住希望者を受け入れるための就職支援事業が実施されている。それは主に、職業紹介事業、就職説明会の開催等の移住希望者と地元企業のマッチングを図るための事業であるが、地元企業の参加申し込みが少ないという問題を指摘することができる。こうした状況から、大牟田地域では医療・福祉サービス事業所に対する職業紹介事業への参加促進等により求人開拓が試みられている。しかしそこでも、その求人に応募する移住希望者が少数であるため、職業紹介事業への参加を中止する事業所が見受けられる。 労働力需給のミスマッチは国内周辺地域への移住にとって大きな課題である。受け入れ自治体が農林水産業の職を中心に紹介するのに対して、移住希望者の多くはこれ以外の職を求める。両者の溝を埋めるためには、受入れ地域の職業に対する移住希望者の理解を進めるなどの対策が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年度には、雇用機会が乏しい地域における移住希望者を取り巻く求人求職の実態把握を目的として、これを明らかにするための研究資料を現地調査によって収集する計画を立てた。研究資料の収集、資料の分析、分析結果の考察をおおむね計画通りに実施した。しかしながら、研究の事例地域として、計画では沖縄県を予定していたが、事例地域を九州地方に変更した。その理由は、企業規模や業種の面で偏りが少ないデータを収集するうえで九州地方が適していること、当初予定していた沖縄県に比較的近いことである。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度研究の地方移住者に対する就職支援の全国的な状況、および2017年度研究の九州地方での移住求職者をめぐる求人求職状況の成果を踏まえ、2018年度にはよりミクロな地域での実態把握を試みる。地方への円滑な移住を促進するためには、移住者の雇用の実態を明らかにする研究が必要であるが、事業所が移住希望者を雇用するためにどのような求人活動をしているのか、またどのような属性の移住者がいかなる労働条件で雇用されているのかが解明されていない。2018年度研究では、企業の雇用戦略に重点を置いて事業所の求人活動、当地域で就業する移住者の労働条件や就業形態に関するデータ分析をもとに、移住者の雇用の実態及びその条件を明らかにする。
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Causes of Carryover |
理由 当初の計画では研究の事例地域を沖縄県にしていたが、これを九州地方に変更した。研究に一層適したデータすなわち企業規模や業種面で偏りが少ないデータを収集するのが変更の理由である。これにともない、事例地域での実態調査にかかる旅費が計画よりも少なくなった。 使用計画 次年度の使用計画としては、事例地域での実態調査にかかる旅費を増額する計画である。調査日程を増やすことで、より多くのサンプルデータを収集することが可能になり、信頼度の高い研究成果を得ることが期待できる。
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Research Products
(1 results)