2016 Fiscal Year Research-status Report
デジタル時代に求められる映像人類学-新たな映像民族誌の創造に向けて
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16K03218
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
村尾 静二 総合研究大学院大学, 学融合推進センター, 客員研究員 (90452052)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 映像人類学 / 映像民族誌 / メディア / インドネシア / バリ島 / オランダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、研究代表者自ら映像民族誌を創造することにより、映像民族誌の創り方、それを研究・教育に活用することができる創造的な実践モデルを構築することにある。映像民族誌の撮影は研究代表者のフィールドであるインドネシアで次年度から行う予定であり、本年度はそれに向けての予備調査、及び、関連する研究機関を訪問して基礎資料の収集を行った。次にその詳細について述べる。 (1)インドネシアにおける予備調査 映像民族誌の撮影地であるインドネシア、バリ島内陸部ギャニャール県の農村を訪問し、撮影対象や撮影協力体制、スケジュールについて話し合った。撮影に協力していただくことになったのは、これまで研究代表者の現地協力者として調査を支援していただいてきた村長のクトゥ・アルダナ氏とご家族、村人の方々である。 (2)欧州におけるインドネシア民族資料の収集 インドネシア民族資料に関して世界最大規模のコレクションを有するオランダの熱帯博物館(アムステルダム)、国立民族学博物館(ライデン)を訪問し、インドネシア文化に関する博物館展示、映像・文献資料に関して調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究目標である(1)映像民族誌の撮影に向けてのインドネシアでの予備調査と(2)欧州の教育・研究機関におけるインドネシア民族資料の調査(資料収集と撮影)は、概ね達成することができた。予備調査で得られた成果とそこから明らかになる課題についてはより慎重に精査する必要があり、収集した民族資料に関しても読み込みにはまだ時間を要する。そのうえで、次年度も研究計画に基づいて調査を展開していくことにより、新規性と実証性を併せもつ研究を着実に実現していきたい。 初年度は、欧州の大学にも訪問し、映像人類学教育について教員や学生と意見交換することも視野に入れて準備を進めていたが、双方のスケジュールが合わず、まだ実現できていない。研究期間中に実現できるように調整を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の中心にあるのは、研究代表者自ら映像民族誌を製作することを通して、デジタル時代に求められる映像人類学とは何かを、製作から公開、アーカイブズをも含む技術的な問題、文化人類学の研究と教育に映像を活用する手法、映像倫理まで、多角的に考察し、その理論的基礎を実践モデルとして築くことにある。 次年度から映像民族誌の製作を開始する予定である。様々なことに配慮して製作を進めると同時に、そのプロセスを記録し、着実に研究を実現していきたい。
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