2018 Fiscal Year Annual Research Report
Historical anthropological study of the acceptance and transformation of Christianity in the Kenya coast
Project/Area Number |
16K03224
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浜本 満 九州大学, 人間環境学研究院, 特任研究者 (40156419)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミッション / 植民地 / メソディスト / ペンテコステ派 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に当たる本年度は、8月に海外調査をまとめて実施し、その前半をケニアでの現地調査、後半を連合王国での文献調査にあてた。 ケニアではKwale CountyのKinango地区を中心に(1)植民地時代から独立前後にかけてのメソジスト宣教師による布教に関して、当時の布教の中心地であったMazeras近郊の長老とのインタビューを行なった。すでに当時の事を知る長老は数少なく調査は困難を極めたが、いくつかの伝え聞いた話を収集することができた。(2)Kinangoのメソジスト教会においては1980年代からの信者を中心に、当時と今日の教会活動の変化について興味深い資料を得た。礼拝のプログラムや歌われる歌などにペンテコステ教会の強い影響が示された。(3)他の会派の教会との比較では、会派の違いよりも共通性に目を惹かれた。VyogatoのBethany教会のN牧師のように、メソジスト牧師からペンテコステ系に転じた人物もおり、会派の変更はあまり重大な変化とはみなされていないこともうかがわれた。 連合王国では、ロンドン大学SOASにて前回調査からの継続としてメソジスト宣教の機関紙、年次報告を中心に資料調査を行なう傍ら、前回アーカイブで存在が確認できなかったケニアの宣教師と本国の間で交わされた書簡類の探査に努めた。SOASのアーカイブには19世紀末から1960年代にかけてのこうした資料が、ケニアに関してのみいっさい欠落していることが判明した。1970年代末にミッション本部からSOASに移管された際に紛失したのではと推測される。念のため、ミッション本部でも確認したが、発見されなかった。ケニアのメソジスト教会本部においてコピーが保管されている可能性があり、今後の調査に期待したい。 帰国後は、収集した複写資料をOCRでテキスト化し、タブレット端末内に検索可能な形で整理した。
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