2016 Fiscal Year Research-status Report
インドシナ諸国の民法関連法令とインクルーシブな発展の関係に関する開発法学的研究
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16K03268
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松尾 弘 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (50229431)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インドシナ / 民法 / 開発法学 / 法整備支援 / インクルーシブ / ベトナム |
Outline of Annual Research Achievements |
ベトナムに焦点を当て,特に1986年のドイモイ政策以降本格化した民法関連法令の整備・実施状況を分析した。その中でも,1995年民法典,2005年民法典,2015年民法典,婚姻家族法,土地法等の民法関連法に加え,ベトナムでは法の実際の適用を決定づけるものとして,施行令等の命令が重要であることから,それら関連法令も含め,それらの内容と実際の適用方法を分析した。そのため,民法関連法令資料を分析したほか,ハノイ,ホーチミン等における村級人民委員会,土地登記所,省級人民裁判所,司法省判決執行局,法律事務所,不動産取引業者,銀行,弁護士会,法律扶助NGO等において,法令実施状況の調査,具体的事件の分析等を行った。その際には,ハノイにおける司法省民事経済法局,同省国家担保取引登録局,天然資源環境省,建設省および法整備支援プロジェクト・オフィスにおいて,民法関連法令の適用上の問題について,不動産登記法令を中心にインタビュー調査を行った。その一方で,世界銀行,世界正義プロジェクト,司法省等が提供する法の支配指標(the rule of law index)に関するデータの経年変化の詳細分析,世界銀行,IMF,政府統計局,司法省・財務省等の白書等が提供するGDP(名目,実質)・成長率・1人当たりGDP(名目,実質)の推移,産業構造の変化,外国投資,輸出入の内容の変化等の経済的指標の変化,世界銀行,フリーダムハウス等が提供する集会・結社・表現の自由,政府の説明責任,政治的安定性,政府の効率性等の政治的指標の経年変化に関するデータも収集・分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査,文献調査ともに,ほぼ計画どおりに研究を進めた。特に2015年民法典と不動産登記法令の関係については,司法省民事経済法局,同省国家担保取引登録局,天然資源環境省,建設省,国際協力機構現地オフィス,同法整備支援プロジェクト・オフィスにおいて,不動産取引の現状を調査し,制度改革の動向と課題を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って研究を進める。次年度はラオスに焦点を当て,特に1990年以降の一連の実質的民法の整備,すなわち,所有権法,契約内債務法・契約外債務法(2008年に契約内外債務法として統合),担保取引法,家族法,相続法,土地法を中心に,民法関連法令の整備について,その実質的内容に立ち入り,ラオス的な特色を確認し,かつその裁判や取引実務における実施状況を分析する。加えて,現在編纂作業中の民法典草案の特色とその審議状況についても検討を加え,現行法に対して実務的にどのような要望が出されているか,それに対してどのような対応が検討されているかも確認する。これら民法関連法令について法令資料(英訳,和訳を含む)を分析するほか,ヴィエンチャン,ルアンパバン,サワナケート等における村落行政事務所,土地登記所,地方裁判所,法律事務所,不動産取引業者,銀行,地元のNGO等において法令実施状況の調査,頻繁に生じる類型の紛争とその解決方法の分析等を行う。その際には,ヴィエンチャンにおける司法省および法整備支援プロジェクト・オフィスにおいて,民法関連法令の適用上の問題について,インタビュー調査も行う。特に民法典草案の審議状況,パブリック・ヒアリング,パブリック・コメントの実施状況等に注意して,研究を進める。他方で,世界銀行,世界正義プロジェクト,司法省等が提供する法の支配指標,司法アクセス状況等に関するデータの経年変化の分析,世界銀行,IMF,政府統計局等が提供するGDP(名目,実質)・成長率・1人当たりGDP(名目,実質)の推移,産業構造の変化,外国投資,輸出入の内容の変化等の経済的指標の変化,世界銀行,フリーダムハウス等による集会・結社・表現の自由,政府の説明責任,政治的安定性,政府の効率性等の政治的指標の経年変化に関するデータも収集・分析する。
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Causes of Carryover |
今年度は発注した図書のうち,入手できなかったものがあり,10,345円の未執行額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,今年度の未使用額10,345円を加えた810,345円につき,未入手の図書を速やかに入手したうえで,研究計画当初の支出計画に従って,研究を進める。
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Research Products
(2 results)