A study on amended Administrative Complaint Review Act.

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K03286
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 大江 裕幸 東北大学, 法学研究科, 教授 (60598332)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2022-03-31
• Keywords: 行政不服審査

Outline of Annual Research Achievements

今年度は，これまでの研究成果をいわゆる施行後5年見直しの検討に反映するという本研究の本来の目的を達成することができた。すなわち，総務省行政管理局長が主催する「行政不服審査法の改善に向けた検討会」に構成員として加わったことを契機に，事前打ち合わせ等の段階も含め，これまでの研究成果の一部，例えば，不当性審査についての注目される答申・裁決例，義務付け裁決に係る裁決例やこれらの背景となる理論を提供し，検討会において集中的な議論の必要性を指摘するなど，最終報告にこれまでの本研究の成果を反映することができた。
今年度も，行政不服審査制度の運用に携わる面々が一堂に会する経験交流，意見交流の場である行政不服審査交流会（第6回）の部会のコーディネーターを務め，参加者よりい寄せられた実務上の問題点について，参加者間の意見交換の橋渡しを含め，検討を加えることができた。この結果は季刊行政管理研究177号（2023年）に掲載されている。また，上記「行政不服審査法の改善に向けた検討会」における国・地方公共団体・士業団体等へのヒアリングの機会を通じ，不当性審査，義務付け裁決に加え，審査会による諮問不要の判断の運用状況とその考え方等について，これまでの研究過程で生じていた疑問を提示し，一定の理解を得ることができた。
比較法研究について，移動制限，物流の制約等があり，本格的な追加文献収集，分析等に至ることはできなかったが，なお入手可能な資料を用いて，不当性審査の問題を中心に検討を継続して行った。