2016 Fiscal Year Research-status Report
行政の民営化と自治体行政の変容-指定管理者制度と公の施設のあり方を通して-
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16K03293
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
三野 靖 香川大学, 法学部, 教授 (90512575)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 公共施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、公共施設を巡っては、市町村合併による重複配置、老朽化、民間委託・民間移譲等の課題が生じているが、人口減少、緊縮財政等による統廃合等、公共施設のあり方が問われている。総務省も2016年度までに各自治体に公共施設等総合管理計画を策定するよう求めており、香川県内では、香川県、高松市、観音寺市、さぬき市、東かがわ市、土庄町及び多度津町が策定している(2016年10月1日現在)。これらの自治体のなかには、具体的な公共施設の廃止計画を提案しているところもある(EX:高松市)。 そこで、大学・研究機関の研究者、県内の自治体関係者(職員、議員等)をメンバーとしら、研究会(公共施設のあり方研究会)を立ち上げた。本研究会では、県内における公共施設の統廃合の方向性と現状、今後の動向を調査し、地域における公共施設のあり方について考えることとした。 研究会の進め方としては、(ア)県内自治体の公共施設等総合管理計画の策定状況・内容の分析、(イ)県内自治体の公共施設の統廃合計画の策定状況・内容の分析、(ウ)自治体、地域でのヒアリング、状況視察、(エ)報告書の検討・作成を行うこととした。 第1回研究会は、2016.10.29に開催し、上記の進め方について議論をした。第2回研究会は、2017.1.22に開催し、既に策定された計画の体系、基本方針、目次を分析し、各計画の特徴を分析した。特徴としては、複数の計画を年次・体系的に策定して、個別の施設の再編計画も公表している自治体、分析手法もポートフォリオ分析や用途別・地域別の分析・再編計画を公表している自治体がある一方、抽象的一般的な計画にとどまっている自治体もあり、自治体による温度差があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学や研究機関の研究者、県内自治体関係者(議員、職員)をメンバーとした公共施設のあり方に関する研究会を立ち上げることができ、また今後の研究の方向性と方法について、議論ができた。また、現時点で公表されている公共施設等総合管理計画について、分析をしたことにより、今後の各自治体の計画をどうのように分析をしていくか、その試行的分析ができた。また、研究会のメンバーも研究者のみならず、自治体関係者も入れて構成しており、関心も高く、実務的な面(自治体のヒアリング、現地視察等)でも研究が進むと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、第3回研究会(公共施設等総合管理計画・統廃合計画の分析)、第4回研究会同、ヒアリング等の計画)、第5回研究会(自治体、地域でのヒアリング・状況視察)を考えている。 研究の方法としては、(ア)研究会のスタンス・位置付けをどう考えるかについては、現状と課題の分析、評価、提言、市町村合併の有無、パターンの比較、(イ)対象とする自治体をどのようにして選択するかについては、県内全自治体、(ウ)公共施設等総合管理計画・統廃合計画の分析について、どのように進めるかについては、県内自治体の比較、先進事例の調査、ヒアリング、(エ)どの自治体の協力を得るかについては、高松市、さぬき市等、(オ)どのような形で個別施設の利用者や地元住民の協力を得るかについては、住民参加の方法、状況の調査、(カ)対象とする自治体の財政状況の分析をどうするかについては、施設の予算管理の方法、計画上の財政状況のヒアリング、(キ)対象とする公共施設の範囲・類型をどうするかについては、自治体で分ける、庁舎も排除しない、分野ごとに自治体横断的な分析もあり、(ク)進行状況をどのように把握するかについては、3~5年、等ついて、方向性を出している。
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Causes of Carryover |
予定していたアンケート調査を実施しないこととしたため。既に総務省の調査があるためそれを利用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度は、現地調査等の費用として使用する予定である。
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