2018 Fiscal Year Annual Research Report
Misuse of the dominant position in digital economy and the recent development of essential facilities
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16K03346
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
柴田 潤子 香川大学, 法学部, 教授 (90294743)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | デジタル経済 / 市場支配的地位の濫用規制 / グーグル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際的にも議論が活発であるインターネットを介して蓄積されたビッグデータに起因 する、デジタル産業 (エコノミー)における競争法上の支配的地位の濫用問題、特にグーグル等を めぐるドミナントな事業者に対する濫用規制を研究対象とした。特に欧州で議論が活発である、グーグルの一般検索を利用したレバレッジによる特殊検索であるグーグルショッピングによる競争者排除行為について分析し、公表した(「Googleケースにおける市場画定と市場支配」経済法の現代的課題 舟田正之先生古稀祝賀所収「グーグルの市場支配的地位濫用とEU競争法ーGoogle shopping」法律時報2019年3月1135号))。オンラインプラットフォーマーという、デジタル経済社会における排除行為については、支配力を持つ市場と排除効果が現れる市場が同一ではなく、かかる市場に適した解釈・運用を検討する必要がある。さらに、比較オンラインポータル歳との問題として、ドイツのカルテル庁のホテル比較サイトである、Booking .com等のケースを検討し、公表した(「ホテルオンラインポータルにおけるベストプライス条項と競争法」市民生活と現代法理論)。比較サイトは、ユーザーにとって有益であることも否定しえないが、商品を提供するホテルサイドと比較ポータルの間では、取引上の地位の格差が存在し、最終的は、最終利用者との関係で価格競争が制限される恐れがあることを指摘した。今後の課題でもあるが、フェイスブックとユーザーとの間で、ユーザーが提供する個人データの収集に関して、搾取的な濫用行為の疑いがある。データと支配力及びその濫用行為の問題との関係では、ドイツでは、デジタル経済により的確に対応を可能とする競争制限防止法の改正が実施されており、今後の課題である。
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