2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Labor Law and Policy Regarding Foreign Workers under Regional Economic Integration and Partnership: Policy on Admission of Foreign Workers in the UK
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16K03348
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
早川 智津子 佐賀大学, 経済学部, 教授 (90451492)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 外国人労働者 / 労働法 / 入管法 / 移民法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度に実施した研究の成果】 本課題研究の最終年度である2019年度においても、本課題研究の申請当時は予期していなかったイギリスのEU離脱問題(いわゆるBREXIT)をめぐるイギリス国内およびEUの動向を見守ってきた。結果的にイギリスは2020年1月末をもってEUを離脱したが、2020年末までの移行期間中はEU域内の人の自由移動は維持されている。しかし、EUとの通商交渉の如何によっては、移行期間後の合意なき離脱のリスクを負っており、課題はなおも残されている。また、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、当初年度末に予定していたイギリスでの現地調査の実施を中止せざるを得なかった。こうした事情はあったものの、国際学会で外国人労働者について日本法の状況も踏まえた研究発表を行ったほか、ボルドー大学発行の学術誌に英語論文を投稿し採択された(そのフランス語翻訳論文も公表された)。さらに、文献研究などを行ったうえで、本課題研究期間全体を通じて執筆に取り組んだ論文等をまとめて、著書(単著)『外国人労働者と法』(2020年、信山社)を刊行した(同書の出版にかかる経費は、当職が所属する佐賀大学経済学会の助成を受けた)。 【研究機関全体を通じて実施した研究の成果】 イギリスのEU離脱や、コロナ禍など、本研究課題の申請当初の予想と異なる現実に対応することが求められる研究期間であったことは否めないものの、国際学会や国内学会での複数回の研究発表、日本語および英語での複数の論文発表、最後に関連する著書の刊行ができた。こうした研究成果は、当初の計画以上のものであった。また、外国人労働者をめぐる国際労働移動に関連して、地域統合の見本とみられたEUにおいても矛盾が表面化するなど新たな課題が発見された。このことは、次に続く課題研究に大きな示唆を与えるものとなったと考える。
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