2016 Fiscal Year Research-status Report
再犯リスク低減と更生の基盤づくりを目指したピアサポート活動の試行的実践とその評価
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16K03379
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
脇中 洋 大谷大学, 文学部, 教授 (10319478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 三江子 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (90288613)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ピアサポーティブ / 当事者性 / 更生保護 / 犯罪からの離脱 / 再犯防止 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年間の研究計画の初年度にあたる平成28年度は、ピアサポーティブな更生プログラムあるいは更生保護プログラムを行っている国内外の施設を探索調査し、本調査に向けての準備を行う予定であった。 国内の矯正施設では、播磨社会復帰促進センターにおいて平成27年度に予備調査したデータを文献化したものの、公刊に至ることができなかった。また平成28年度はクラウニング講座自体が開講されなかったため、新たなデータの収集はできなかった。一方、平成29年度後半に実施するクラウニング講座では本調査を行う予定であり、次年度に向けて共同研究計画書の内容を確認するなどして準備態勢を整えた。 矯正施設退所後の社会復帰支援施設の調査では、大阪市立阿武山学園における生活支援実態を調査した。 また国外では、ノルウェー・オスロの更生保護団体NPOウェイバックを訪れ、国から資金援助を受けながらもピアサポーティブな社会復帰支援を行っていることを確認することができた。そこでスタッフの体制の聞き取りや少数ながら事例調査を行い、次年度調査への足掛かりとすることができた。またフィンランド・ヘルシンキ刑務所において青少年対象の更生プログラムの紹介を受け、今後事例調査に入る態勢を整えた。さらにカナダ・BC州ヴィクトリアのハーフウェイハウス職員の来日に合わせて情報交換し、スタッフの体制や利用者の事例調査に入る準備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の研究計画でやや遅れた理由としては、播磨社会復帰促進センターにおけるクラウニング講座が受刑者の動向によって開講が左右されるために、平成28年度は未開講であったことがあげられる。また前年度に開講された講座の予備調査データ内容を文献化したものの、公刊にあたって矯正施設内でのチェックに手間取り、平成28年度中の公刊には至らなかった。さらに海外調査は北欧のみにとどまり、カナダに関しては更生保護職員の来日に合わせて情報交換するだけにとどまったことも挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
4年間の研究計画の2年目にあたる平成29年度は、まずクラウニング講座の予備調査結果を公刊し、年度後半に開講される講座の本調査を行う。また海外調査においても、ノルウェー・オスロのウェイバックおよびフィンランド・ヘルシンキ刑務所内プログラムの組織や事例調査を本格化し、カナダ・ヴィクトリアのハーフウェイハウスにおけるスタッフ体制や利用者の事例調査に取り組む。これらの収集したデータを平成30年度には分析検討しながら、ピアサポーティブなプログラムを練成するとともに、試行的実践の準備を進めていく。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、播磨社会復帰促進センターにおけるクラウニング講座が開講されずに翌年度開講となったこと。また海外調査を北欧のみにとどめて、カナダの更生保護施設職員の来日時に情報交換するにとどめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度はクラウニング講座が開講されるので、11月から本調査に入る予定である。また平成29年度海外調査は、9月に北欧、2月にカナダに赴く予定である。
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