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2017 Fiscal Year Research-status Report

取締役会の企業価値実現のプロセスから見た実効的なコーポレートガバナンスの再構築

Research Project

Project/Area Number 16K03383
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

大塚 章男  筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (50384863)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsコーポレートガバナンス / FRC / 取締役会の実効性評価 / イギリス会社法 / コーポレートガバナンス・コード / 株主利益最大化 / 啓蒙的株主価値 / 監査役
Outline of Annual Research Achievements

2006年イギリス会社法が施行されてから10年が経過し、「啓蒙的株主価値(Enlightened shareholder Value)」モデルはイギリスで実務上浸透しているのか、このモデル実現のため情報開示や取締役会評価はどのように実施され市場はそれをどう評価しているのかにつき本年度は調査研究を行った。日本のCGコードは英国財務報告書評議会(FRC)のコーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」)を手本にしたものである。同コードに関するFRCの「取締役会の実効性に関するガイダンス」は、取締役会で求められる情報や審議の質などを示しており、日本のCGコードの解釈にも役立つものである。以上に関するイギリスとアメリカの文献を入手し読み込むことができ、また研究者との交信によりいくつかの疑問を解消することができた。
その成果につき、学会報告として「イギリスにおける取締役会評価とガバナンス」(国際取引法学会研究会、2017年7月)を行った。さらに「取締役会の実効性評価‐実施主体としての監査役の関与の可能性‐」筑波ロー・ジャーナ23号11頁(2017)、「取締役会の実効性評価プロセスへの監査役の主体的参加」監査役680号27頁(2018)を公表した(全て単著)。さらに、アメリカのロー・ジャーナルに比較法研究の成果を掲載をすることができた。Akio Otsuka, Reforms of Corporate Governance: Competing Models and Emerging Trends in the United Kingdom and the European Union, South Carolina Journal of International Law and Business/14(Fall)/pp.71-105, 2017.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の計画ではFRCやイギリスの研究者にインタビューをする予定であったが健康を害したため本年度の渡航は見送らざるを得なかったものの、それ以外の調査研究は堅調に行うことができた。そしてその結果をアメリカと日本で論文として公表することができた。特にアメリカのロー・ジャーナル掲載は、日本人の研究者としては珍しいことであり、理論と分析が評価されたものと思われる。また、取締役会の実効性評価に対する監査役の関わり方について提言を行ったが、これは最終年度の計画の一部先取りの実行と言える。

Strategy for Future Research Activity

来年度は最終年度であり、アメリカ又はイギリスへ渡航して必要な調査研究を終えたい。これから得られた比較法研究の成果を、さらに日米で公表していく予定である。
たとえば、監査役の常勤性(上場会社)を生かしつつ「妥当性(効率性)監査」を含める解釈をとることにより、監査役が独自の情報収集力を駆使した監査を実施することで、取締役会の健全な牽制力となりえると考えるが、そうしたガバナンス・システムはわが国において実効的なのか。CGコードがわが国で運用されて3年ほどしか経過していないが、アメリカ、イギリスの研究から得た知見を基に、上場会社に対しアンケート調査を実施し、調査結果とこの分析結果を順次公表していく予定である。

Causes of Carryover

FRCやイギリスの研究者にインタビューをする予定であったが健康を害したため本年度の渡航は見送らざるを得なかった。次年度(最終年度)は、イギリス又はアメリカへ渡航して、インタビューなどのフィールド調査を実施しつつ、次年度の残りの計画を遂行する予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 取締役会の実効性評価プロセスへの監査役の主体的参加2018

    • Author(s)
      大塚章男
    • Journal Title

      月刊監査役

      Volume: 680 Pages: 27-35

  • [Journal Article] Reforms of Corporate Governance: Competing Models and Emerging Trends in the United Kingdom and the European Union2017

    • Author(s)
      Akio Otsuka
    • Journal Title

      South Carolina Journal of International Law and Business

      Volume: 14(Fall) Pages: 71-105

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 取締役会の実効性評価‐実施主体としての監査役の関与の可能性‐2017

    • Author(s)
      大塚章男
    • Journal Title

      筑波ロー・ジャーナル

      Volume: 23 Pages: 11-38

    • Open Access
  • [Presentation] イギリスにおける取締役会評価とガバナンス2017

    • Author(s)
      大塚章男
    • Organizer
      国際取引法学会研究会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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