2020 Fiscal Year Research-status Report
カストディ・チェインを通じた重層的株式保有を巡る法律問題の多面的研究
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16K03408
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
上田 純子 愛知大学, 法務研究科, 教授 (40267894)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 証券決済・管理 / 株主権の帰属 / コーポレート・ガバナンス / 準拠法 / カストディアン / 権利行使の電子化 / プラットフォーム / 比較法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究助成期間はすでに経過しており、速やかに研究成果の公表ができるようそのまとめの作業に取り掛かっている。過年度からの懸案であった国際的学術集会の企画は令和2年度も引き続き新型コロナウイルス感染症に収束の見込みがなかったため、実現できなかった。当該企画については、研究成果のまとめの段階で類似テーマに関心を有する内外の研究者からの示唆を得る非常に有益な機会であるため、引き続き令和3年度中の実施を目指している。 また、わが国のみならず、米国、欧州、豪州等で証券のチェイン保有の実態および株主の権利行使に伴う法律上の問題について現地調査を行いたいと考えていたが、同様の理由から渡航が叶わず(国内の調査についても、新型コロナ対策による交替勤務等の普及によりヒアリング対応の人員がいない)、関連資料の解析等を行うに留まった。 研究成果の一部として「株主総会プロセスの電子化―対話促進のための課題と展望-」と題する論稿を論文集『企業法の改正課題』に投稿し、そのなかで内外機関投資家による議決権行使プラットフォームを通じた議決権行使に伴う問題を取り上げ、検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大のため、渡航を伴う研究活動は大幅に制限されたものの、机上で揃う資料等に基づいた一応の論稿はまとめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」に上記したように、令和3年度も引き続き研究課題に関心を有する内外の研究者にご参加いただいて国際的学術集会を開催する方向でその可能性を探ることとし、その機会を捉えて最終的な研究成果のまとめに示唆を得たいと考えている。 もっとも、新型コロナウイルス感染症の状況に関しては予断を許さないことから、2021年度は上記企画が実現できなかった場合にも年度内の研究成果のまとめを期し、オンラインなどの代替手段により内外の研究者との意見交換・情報交換を行い、比較法の部分の補強を図りつつ、研究成果の公表に向け、鋭意努力していく。
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Causes of Carryover |
令和3年度中に、内外研究者を招聘して国際ワークショップを実施する予定であり、その経費としてとりおいたもの。
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Research Products
(2 results)