2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the legal framework of narrative reporting and its assurance
Project/Area Number |
16K03420
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川島 いづみ 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (50177672)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非財務情報の開示 / 統合報告 / 戦略報告書 / 非財務情報説明書 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は、主にイギリス会社法における非財務情報の開示と開示情報の信頼性の確保に関する法制を比較対象として、わが国における制度構築の方向性を示すための論文作成を行うとともに、南アフリカの会社法とコーポレートガバナンス・コードについて、これまでの調査・研究の内容をまとめる作業を進めた。当初、本年度は南アフリカでの海外調査を検討していたが、渡航費用の点で資金的に困難であること、また、イギリスで2018年7月にコーポレートガバナンス改革(会社法改正とコーポレートガバナンス・コードの改訂)が実現したこともあり、ロンドンでの現地調査に切り替えた。2019年2月12日~2月18日に実施し、ロンドン大学高等法学研究所および大英図書館における資料の検索・収集、財務報告評議会での担当者からの聴取り調査、イギリス会社法研究者との意見交換を行った。また、上記論文作成の前段階として、2018年6月23日に、インターカレッジの研究会である東京商事法研究会の35周年記念大会において、「イギリス会社法における取組-一体的開示と一元的監査等」の報告を行った。 研究成果としては、論文「非財務情報の開示と開示規制-イギリスにおける非財務情報に関する開示法制の進展」(尾崎安央=川島いづみ=若林泰伸編著『上村達男先生古稀記念 公開会社法と資本市場の法理』(2019年、商事法務))を公表し、その中で、非財務情報の信頼性の確保に関するイギリス会社法の紹介と日本法における法制度的な展望について論じた。南アフリカについては、特に、2016年に改訂されたコーポレートガバナンス・コード(キング4)が定める「アシュアランス」が信頼性の確保にとって重要であると考えられるため、この点を中心に研究をまとめ、イギリスの会社法制も含めた総合的な検討を論文にまとめる予定である。
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