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2018 Fiscal Year Research-status Report

証券発行開示に対する法規制

Research Project

Project/Area Number 16K03424
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

若林 泰伸  早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80329060)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
KeywordsESG情報の開示
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、研究課題①証券発行開示規制の基本概念と意義、研究課題②開示情報の多様性と許容性、研究課題③公共債に係る有価証券の発行開示規制について研究することを目的とする。
2018年度は、研究課題②についての研究を中心に行った。すなわち、現在先進国を中心に、いわゆるESG情報の開示が具体的な政策課題に挙がっているが、国または法域によってその対応が異なるように思われる。アメリカにおける対応としては、ESGのうち、Environmental(環境)については、従来より政府機関が一定額以上の環境法に関する法的手続を行った場合に情報開示が要求されてきたが(レギュレーションS-Kアイテム103)、トランプ政権により従来の政策方針を大幅に転換し環境法規制の緩和を推し進めており、実体的な環境法規制だけでなく情報開示規制を巡る不確実性も高まっているように思われ、またSocial(社会)については、ドッド=フランク法1502条により1934年証券取引所法13条(p)に導入された紛争鉱物についての情報開示規制(ルール13p-1、フォーム SD)が存在しているが、それ以外の事項については基本的にはMD&A(レギュレーションS-Kアイテム303)やリスク情報(レギュレーションS-Kアイテム105)の開示にとどまっており、この点ではいわゆるプリンシプル・ベースの情報開示規制が存在しているのみである。また、Governance(ガバナンス)については、取締役(会)の多様性を巡る情報開示について進展がみられ、人種・性別・民族・宗教・国籍・性的指向や文化的なバックグラウンド等についての情報開示についてSECがレギュレーションS-Kに関する解釈指針(コンプライアンス・開示解釈116.11・133.13)を出している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2017年9月下旬からアメリカ合衆国にあるFordham University School of Lawで在外研究を行っており、研究実績の概要で述べたとおり、研究課題②については調査・研究が進んでおり、2019年1月の日本への一時帰国の際には、研究課題②についての日本法に関する最新状況を調査することもできた。
しかしながら、2018年度は9月にロンドンへの研究出張があり、またその後は1月の日本への一時帰国とその際の業務の準備、書籍や大学紀要の記念号の編集作業にほぼすべての力を注ぐこととなったため、研究課題①と研究課題③については満足に研究を進めることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

2019年9月にアメリカでの特別研究期間を終えて帰国することを予定しており、その後は通常であれば春学期に行っている授業をも担当することになるため、できる限りアメリカ滞在中に研究を進めたいと考えている。
研究課題②については、引き続き、アメリカ連邦証券規制におけるESG情報の開示について調査・研究を進めるとともに、情報開示の前提となるアメリカ公開会社におけるESGないし企業の社会的責任について纏めていく。
研究課題③については、地方債証券の情報開示規制違反の事例についてできる限り分析を進めるとともに、2018年8月に制定されたSECの地方債証券の開示規制に関する改革についての研究を進めたいと考えている。
研究課題①については、これらの具体的な開示規制についての研究をも踏まえて研究を深めていきたいと考えているが、証券発行開示規制についての基礎的考察を行うものであるため、現段階では本研究期間中に具体的な成果を出すことは難しいと考えている。

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Published: 2019-12-27  

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