2019 Fiscal Year Annual Research Report
The Politics of Anti-establishment and Party Politis: A Comparative Case Study of the British Labour Party
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16K03461
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武田 宏子 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20622814)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | イギリス政治 / 政党政治 / 反エスタブリッシュメントの政治 / 労働党 / 反緊縮財政政策の政治 / 左翼政党 / 政治参加 / ジェレミー・コービン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画最終年度となった2019年、イギリス政治はブレグジットの政治過程の混迷から混乱し続け、突然の予測がつかない展開に多くの政治アクターが振り回されることとなった。本研究計画もそうしたイギリス政治の動向に大きく影響され、混乱する中、最も効果的な形で研究を終了するためにはどのような作業を行うことができるのか/必要であるのか検討することが必要であった。ブレグジット期限日は3月29日から10月31日延長がなされることが決まったが、議会の膠着状況は改善せず、総選挙を行うことの必要性が明らかになっていくにしたがって、当初はイギリス政治学会での報告のために研究期間の延長申請を行ってプールしていた資金を総選挙の現地調査のために使用することに変更し、いつ宣言されるか定かではない選挙開始に備えて、現地調査の準備を行った。 7月の保守党の党首選挙/首相交代を経て、総選挙の投票日は12月12日に定められた。現地調査は12月4日から14日(前日現地発、朝日本到着)の日程で行った。現地調査では労働党員や党員ではないものの選挙キャンペーンに参加した人びとに加えて、公開討論会の機会を通じて他党の支持者やブレクジット支持者にもインタビューを行った。また、ロンドンのHackney South選挙区を通じて、郊外のあるStevensage選挙区に赴き、戸別訪問の様子を参与観察した。投票日には注目選挙区であったシェフィールド・ハラム選挙区で観察を行った後、学生が集まる大学周辺で開票を見守る若年有権者の様子を観察した。 持ち帰ったインタビュー・データはこれまでの研究成果と合わせて検討し、現在、本研究計画の成果として単著としてまとめている。この他に、2019年度は、本研究計画を通じて行った研究活動を基に論文執筆や研究発表を行った他、時事問題を扱う雑誌にも寄稿した。最後に、論文の出版が達成された。
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