2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the fluidization of the German political party system by means of analysis of policies
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16K03465
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
横井 正信 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(総合グローバル), 教授 (10220542)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドイツ / 政党政治 / 比較政治学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては、ドイツの政党システムに根本的な変化をもたらした2017年連邦議会選挙とその後2018年3月まで半年近くかかった政権樹立の経緯、同年12月のメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)党首辞任についての分析を行った。上記連邦議会選挙においては、二大政党の合計得票率が53.4%にまで低下する一方、右派ポピュリスト政党が台頭し、初めて連邦議会に6政党が議席を獲得する等、政党勢力の分散化傾向が明確となった。この結果を受けて、選挙後にはドイツ連邦共和国史上初めて、キリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)を中心とする三党連立の形成が試みられたが、政策的方向性の違いから結局失敗し、再度CDU/CSUと社会民主党(SPD)による大連立政権が樹立されるという形で状況が二転三転した。また、政権発足後もCDUにおいてはユーロ危機や難民危機を契機として顕在化したメルケル首相に対する批判が高まり、2018年12月のキリスト教民主同盟(CDU)党大会では、メルケルが2000年以来務めてきた党首を辞任するに至った。 これらの状況について調査分析するため、2018年12月には上記のCDU党大会の傍聴を中心として10日程度にわたって現地での調査及び資料収集を行った。この調査等も踏まえて、ドイツにおいて近年の大連立政権の下で進行してきた政策の収斂化が政党間競争において決定的な役割を果たすようになった浮動的有権者層に対してどのような影響を及ぼしてきたか、また社会国家の変容を反映した諸政策がドイツの政党システムの流動化とどのような相互関係にあるのかについて分析した。その成果については平成31年1月に学術論文「2017年連邦議会選挙と第4次メルケル大連立政権の発足」として発表した。また、平成31年3月には名古屋大学で開催された中部ドイツ史研究会において、上記の論文の内容に関する報告を行った。
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Research Products
(2 results)