2019 Fiscal Year Annual Research Report
Advocating the clinical public administration: Through dealing with "the formal and rigid responses" in local government
Project/Area Number |
16K03473
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嶋田 暁文 九州大学, 法学研究院, 教授 (00380650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 裕亮 北九州市立大学, 法学部, 准教授 (00382408)
澤田 道夫 熊本県立大学, 総合管理学部, 教授 (80589078)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 臨床行政学 / 意図せざる結果 / 媒介変数(条件) / 社会構成主義 / 複数価値間の競合と行政倫理 / レッドテープ / ポストモダン行政学 / 行政技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、研究会を行い、「臨床行政学」の具体的な内実を体系的に整理することができた。臨床行政学は、既存の行政学が(イ)一般化志向、理論重視という特徴を持つ反面、行政現場の個別性・複雑性を軽視している点、(ロ)Whyという問いと実証性を重視する反面、Howという問いと規範性を軽視している点を問題視する。臨床行政学は、現実・実態の豊潤さに敬意を払い、現場実践への貢献を意識する。そして、次のような特徴を有する。 第1に、現場実態の複雑性を重視する。まず、「意図せざる結果」に着目する。それが現場職員が対処しなければならない不確実性・複雑性の端的な表れの一つだからである。そして、「媒介変数(条件)」にも着目する。媒介変数を統制することは、現実においては多くの場合不可能なのであり、むしろ独立変数と従属変数をつなぐ決定的に重要な要因としてこれを正面から扱う方が、現場の行政職員への示唆につながると思われるからである。また、このように具体的条件(媒介変数)を問題にする思考により、机上の抽象的理論の前提がいかに成り立たないのかも露になるはずである。さらに、複数価値間の競合に苦しむ行政職員の実態にも着目する。 第2に、社会構成主義の方法などを通じて、現場における人々の発想・行動の決定前提として認知的に作用している「現実」を明らかにする。自分たちの発想・行動を規定している「現実」を自覚することは、改善アクションの大前提となる。 第3に、以上を踏まえて、①Howの形で現場への実践提供を行ったり、②“ある主体が、いかなる条件下で、いかなる「現実」を前提にいかなる考えのもとにいかなる行動をとったのか。その結果、何が生じたのか”といった他事例情報を提供することで、類似の状況下にある主体に反省的対話を促したりする。 以上のような臨床行政学の内実を、事例研究とともに世に問うことが残された課題である。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] 合意形成研究会 縮減社会の合意形成 : 人口減少時代の空間制御と自治(上)2019
Author(s)
小泉 秀樹 , 板垣 勝彦 , 金井 利之 , 阿部 昌樹 , 礒崎 初仁 , 内海 麻利 , 北村 喜宣 , 齋藤 純一 , 嶋田 暁文 , 名和田 是彦 , 原島 良成 , 村山 武彦
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Journal Title
自治総研
Volume: 45(5)
Pages: 89~130
Open Access
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[Journal Article] 合意形成研究会 縮減社会の合意形成 : 人口減少時代の空間制御と自治(下)2019
Author(s)
小泉 秀樹 , 板垣 勝彦 , 金井 利之 , 阿部 昌樹 , 礒崎 初仁 , 内海 麻利 , 北村 喜宣 , 齋藤 純一 , 嶋田 暁文 , 名和田 是彦 , 原島 良成 , 村山 武彦
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Journal Title
自治総研
Volume: 45(6)
Pages: 59~91
Open Access
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