2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on intergovernmetal relationship and meso-level governance around metropolitan areas in Germany
Project/Area Number |
16K03479
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
廣田 全男 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員教授 (70295525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 雅治 神奈川大学, 法学部, 教授 (10635460)
伊藤 徹哉 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20408991)
金井 利之 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40214423)
山田 徹 神奈川大学, 法学部, 非常勤講師 (90409839)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大都市リージョン / 政府間関係 / ガバナンス / ネットワーク / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ドイツでは1990年代半ばから2000年代にかけて「大都市リージョン」と呼ばれる都市システムが形成された。空間整備閣僚協議会は、全国的及び国際的に重要な広域人口密集地域を大都市リージョンとして認定し、その数は現在11を数える。これらの大都市リージョンは、ドイツの「社会的、経済的、社会文化的な発展のモーター」として位置づけられ、連邦州や地方自治体、経済団体や市民団体などが関与している。 (2)連邦建築空間整備局は大都市機能の立地調査を行い、ドイツにはニューヨークやロンドン、東京、パリのように大都市機能が集中した大都市がないことを明らかにした。しかし同時に、都市部とその周辺部を包括するリージョンに注目すると、大都市機能(決定・制御機能、イノベーション・競争機能、ゲートウェイ機能)が集積した大都市リージョンが多数存在することも明らかにした。大都市リージョンの形成は、グローバリゼーション下の地域間競争、都市間競争に対応して、リージョンの潜在的能力を発展・向上させることを目的としており、その主眼は「空間整備」よりも「成長とイノベーション」にあるといえる。 (3)連邦建築空間整備局は大都市リージョンの承認や境界設定の基準を明確にしなかったため、大都市リージョンの形成はリージョン自身に委ねられた。その結果、大都市リージョンの境界、構成団体、組織構造、運営方法、活動内容、それからガバナンスのあり方も多様性を見せている。大都市リージョンにおけるガバナンスには、連邦州や地方自治体、経済団体、市民団体など、様々なアクターが関与しているが、これらのアクターの間のネットワークと協力を「制御」し「調整」する仕組みも多種多様であり、このガバナンスの多様性こそが大都市リージョン制の特徴といえる。それは、連邦制の伝統的な境界に基づく地域の政治・行政・経済の競争性と協調性を巧みに補っている。
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Research Products
(6 results)