2020 Fiscal Year Research-status Report
政権維持と組織存続のための帰責処理:危機対応における更迭と組織改編の研究
Project/Area Number |
16K03482
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
手塚 洋輔 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 更迭 / 組織再編 / 政権維持 / 組織存続 / コロナ / パンデミック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,さまざまな問題に直面した政府が,政権の維持及び各行政機関の組織存続を企図する中で行う,更迭(人事面)や組織再編(組織面)などの帰責処理に着目してそのダイナミズムを探究し,ひいては統治の有り様の変容を考察しようとするものである。
期間を延長した2020年度は,引き続き,成果の取りまとめに尽力するほか,前年度より調整を進めていた国際的な研究発信を柱として最終年度の研究を完遂する予定としていた。しかしながら,コロナ禍の中で,国際的な研究発信の機会については再考を余儀なくされた。他方で,コロナ対応は,まさに本研究課題と密接に関連することから,今年度の研究課題として取り組むこととした。
具体的には,オンライン会議に対応できる研究環境を整備した上で,第1に,コロナ対応に関する組織及び人事についてデータ分析を行うとともに,第2に,2009年の新型インフルエンザ対応以来の一連のパンデミック対応の構想について分析を進めた。その結果,パンデミック対応として制度化されたはずの新型インフルエンザ等特措法の組織体制とは異なる形で,今般の新型コロナ対応が行われたこと,そしてそれがとりわけ専門家組織のあり方として問題を現出させたことなどを確認するに至った。これらの成果としては第1に,以前に行った予防接種行政に関する研究にコロナ対応を加える形で予防接種に関する小論を公表した。第2に,コロナ対応に関する書籍の合評会に参画し,書評コメントを行った。第3に,2021年度当初に刊行が予定される雑誌に掲載する論文の執筆を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来であれば,国際的な研究発信の機会を得て研究を完遂させる予定としていたが,コロナ禍の影響で変更を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題と密接に関係のあるコロナ対応の分析を行うことにより,本研究課題の成果を万全のものとする。このため,2020年度に引き続き,2021年度についてもコロナ対応を中心に分析を加え,研究成果のとりまとめを完成させる。
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Causes of Carryover |
海外旅費として使用する予定であったが,コロナ禍により計画変更を余儀なくされた。このため,今年度はオンライン会議に対応する経費及びデータベース使用料等に使用した。次年度は,状況を見極めつつ,研究の取りまとめに必要な資料やデータベース使用等を中心に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)